
イクイノックス上回る好タイムで快勝も…ホープフルS大敗後の出走なし、三浦皇成「初G1制覇」も期待されたクラシック候補

28日に行われる2歳馬の中距離王決定戦・ホープフルS(G1)。昨年はドゥラエレーデとB.ムルザバエフ騎手のコンビが、14番人気という超低評価を覆しての戴冠となった。
勝ち馬とハナ差の接戦だった2着トップナイフ、追い込んで3着に入ったキングズレインもそれぞれ6番人気以下の伏兵。三連単は246万円を超える大波乱の決着となったことを覚えているファンもまだ多いだろう。
そんな昨年のホープフルSに、4番人気の支持を集めていたのが、ガストリック(牡3歳、美浦・上原博之厩舎)である。
ジャスタウェイ産駒の同馬は昨年10月、東京・芝1800mでデビュー。道中は最後方で末脚を温存すると、最後の直線で大外に出して全馬をゴボウ抜き。メンバー唯一の上がり3ハロン33秒台をマークし、2着に1馬身半差をつけて完勝したこともあり、新たな大物の誕生を予感させる勝ち方であった。
その予感を確信へと近づけたのが、続く2戦目の東京スポーツ杯2歳S(G2)だ。
イクイノックスを上回る好タイムで「出世レース」快勝
このレースからガストリックは三浦皇成騎手と新コンビを結成。初戦と同じく後ろからレースを運ぶと、最後の直線は馬群を割って抜け出し1着。同じレースには、3億円ホースのダノンザタイガーや、後に日本ダービー(G1)で3着に入るハーツコンチェルトらも出走していたが、ライバルたちの追撃をしのぎ切り、デビュー2連勝を決めたのである。
しかも勝ちタイムの1分45秒8(良)は、前年の覇者であり、後にG1を6連勝する世界最強馬イクイノックスのそれを0秒4も上回る好時計。これは無敗の三冠馬コントレイルに次ぐ歴代2位で、出世レースとして知られる東スポ杯を制したのだから、続くホープフルSでの3連勝とG1制覇を期待する声が出たのも当然だ。
しかし、そのホープフルSではゲートこそ出たものの、徐々にポジションを下げて行き、道中は後方3番手。その後もほとんど見せ場を作れずに、18頭立ての16着という大惨敗を喫してしまった。

自身初となるJRA・G1制覇のチャンスを生かせなかった三浦騎手はレース後、「3角で手応えがなくなった。コーナーもリズムよく回れなかった」と無念のコメント。上位人気に支持された馬だったこともあってか「うまく乗れずに申し訳ない」と、謝罪の言葉まで口にしている。
雪辱を果たしたいガストリック陣営は引き続き三浦騎手とコンビ継続で翌年の皐月賞(G1)へぶっつけで参戦を表明したが、帰厩後初の時計をマークしたあとに脚部不安を発症。管理する上原博師は「今後は白紙」とし、放牧へと出された。
それ以来、個人オーナーの持ち馬ということもあってか、ほぼ音沙汰がなく、気づけば1年間出走がない。ネット上では行方不明ともいえそうな状態となってしまったガストリックを心配する声も、ファンからちらほらと聞かれている。
ホープフルSこそ思わぬ大敗を喫してしまったガストリックだが、先述の通りイクイノックスを上回る時計で東スポ杯を制したときの走りなどを見る限りでは、能力を秘めていることは間違いないだろう。大器の早期復帰に期待したいところだ。
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