「坊主頭」は飛躍を誓った決意の表れ!? 昨年ブレイクの若手が年明けから絶好調…関係者から第2の川田将雅に推す声も
28日の京都競馬場で行われたシルクロードS(G3)を制したのは、デビュー7年目の若手・西村淳也騎手が騎乗したルガル(牡4、栗東・杉山晴紀厩舎)だった。
1番人気は坂井瑠星騎手のアグリに譲ったものの、正攻法の競馬でライバルに3馬身差をつけて完勝。重賞初制覇を決めるとともに高松宮記念(G1)の有力候補として名乗りを上げた。抜けた馬が不在のスプリント路線に期待の新星が誕生したといえるだろう。
馬体の成長や追い切りの動きからも地力強化が顕著だったルガルだったが、勝ち切れない競馬が続いた昨年と比べて見違えるような成長を見せた。
また、馬だけではなく騎乗した西村淳騎手の手綱捌きも成長の跡が伝わる。逃げたテイエムスパーダの直後を抜群の手応えで追走して抜け出す横綱相撲。ゲートに課題を残していたパートナーと好発を決め、ポジション取りを成功させた時点で、ほぼ勝負ありといった内容だった。
坊主頭に込められた飛躍の決意
年明けの坊主頭でも注目を集めた西村淳騎手。関係者の話によると、昨年にG1勝利を目標に掲げて達成できなかったことへの自戒の念を込めてのものだったらしい。
その甲斐もあってか、フェアリーS(G3)を5番人気イフェイオンで勝利して早くも今年の重賞初勝利を決め、それからひと月も経たない内にシルクロードSのルガルで2勝目をゲットした。昨年ブレイクした若手の勢いはまだまだ続きそうである。
「不作と言われた2018年デビュー組の同期は、西村淳騎手本人を含めて3人しかいませんでした。あとの2人は既に引退した山田敬士騎手、昨年未勝利に終わった服部寿希騎手ですから、西村淳騎手の躍進がより一層目立っています。
先輩の坂井騎手とはプライベートでも仲がいいですが、早い時期に海外に武者修行に行った2人だけに、考え方や行動力でも似た部分が多いかもしれません。これからもお互いに切磋琢磨するいいライバルとなりそうです。
何と言っても彼の魅力は気持ちの強さです。レースでは先輩に臆することなくガンガン向かっていきますし、とにかく勝ちに飢えているんですよ。不可解な騎乗や危ない競馬をした先輩騎手に苦言を呈するくらい肝が据わっています。そういったところは、若手時代の川田将雅騎手に通じる部分があります」(競馬記者)
第2の川田将雅に推す声も出た西村淳騎手だが、一昨年くらいまではローカルを中心に騎乗して頭角を現してきた。そこから関係者の信頼を勝ち取り、昨年から本格的に本場メインに切り替えてステップアップ。トップジョッキーが集まる舞台へと挑戦しながら、自己最多となる76勝を挙げる存在感を発揮した。
年間を通して重賞4勝の昨年に対し、今年は1月の段階で2勝のハイペース。2月のフェブラリーS(G1)では、地方の年度代表馬イグナイターとのコンビも決まった。順調なら高松宮記念のルガル、桜花賞(G1)のイフェイオンでチャンスがあるだろう。
現在の勢いなら待望のG1初勝利と年間100勝の達成も夢ではない。田口貫太騎手の活躍も話題となっているが、台頭が著しい若手の中でも西村淳騎手は筆頭格といってもよさそうだ。
PICK UP
Ranking
17:30更新- JRA内田博幸「戸崎ブチギレ騒動」から遺恨“独立”で引退危機!? エージェント“不条理”解約に「義理を通すなら……」
- JRAマイネル軍団総帥・岡田繁幸さん逝く。武豊「僕の原点、この馬と一緒に全国区になった」絶体絶命だった天才を世に放った偉大な決断と信念【特別寄稿】
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「素行不良」で干された若手の更生に関西の大御所が名乗り! 福永祐一を担当した大物エージェントもバックアップ…関係者から「優遇され過ぎ」の声
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- 岩田康誠「キレ散らかし」返答にインタビュアーもタジタジ…名手が信じたドウデュース世代の実力馬が有馬記念前に答え合わせ
- 有馬記念に続き東京大賞典も「記憶力」が決め手…最強フォーエバーヤングから絞りに絞った2点で勝負!
関連記事
【東京新聞杯】ここを勝って「突如ブレイク」した名馬が多数!? リバティアイランドに迫ったレコードホルダーに期待【東大式必勝馬券予想】
ルガル、ママコチャらに立ちはだかる海外の「刺客」!? 香港スプリント覇者ラッキースワイネス「撃破」のG1ウイナーが高松宮記念参戦へ
【東京新聞杯】府中のマイル重賞で激走する穴馬の法則。マスクトディーヴァではない、該当する2頭の激走候補!
武豊が演出した「最遅ペース」に末脚不発、「馬に申し訳ない」人気を大きく下回る結果に騎手も謝罪…コンビ待望のタイトル制覇はまたも持ち越し
川田将雅「重賞に手が届いて当然」西村淳也「見ての通り強かった」の絶賛! G1候補に名乗りもレースレベルは疑問…注目すべきは馬よりも調教師?