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【共同通信杯】川田将雅、武豊のクラシックに黄色信号!?「遅れてきた大物」が勢力図塗り替えに成功…戸崎圭太に「エフフォーリア級」救世主登場か
11日に東京競馬場で行われた共同通信杯(G3)。過去、勝ち馬だけでなく敗れた馬からも後のG1ホースが多数誕生した重要ステップに昨年の朝日杯フューチュリティS(G1)を優勝したジャンタルマンタル、同2着のエコロヴァルツが参戦した。
遅れてきた大物がクラシック候補に名乗り
川田将雅騎手と武豊騎手の手綱捌きに大きな注目が集まったが、人気の両馬を破ってニューヒーローに名乗りを上げたのは、戸崎圭太騎手とジャスティンミラノのコンビ。まだ新馬戦を勝ったばかりで実力は未知数だったものの、G1馬を負かした意味は大きい。
「追ってからも味のある馬で、強かったです。乗りやすかったので距離も問題ないと思います」
会心の勝利をそう振り返った戸崎騎手の言葉通り、過去のレースにも調教にも乗っていなかったまったくのテン乗り。今回の騎乗が人馬の初コンタクトながら、完璧なレース運びで人気の2頭から主役の座を奪い取り、「遅れてきた大物」が勢力図の塗り替えに成功した。
「スタートはそれほどよくなかった中で、外から位置を取りに行った判断が勝負の決め手となりましたね。逃げたパワーホールの刻んだラップも1000m通過62秒7という超スローペース。同じく芝1800m条件だった同日の未勝利ですら1分46秒2でしたから、共同通信杯の1分48秒0がいかに遅かったのかもわかります。
ただ、勝ちタイムは平凡でも内容はそれなりに濃かったと思います。超スローでもピタリと折り合った操縦性の良さは、初騎乗の戸崎騎手にとっても幸運でした。ジャスティンミラノの本当の強さは、残り800mのラップに秘密があります」(競馬記者)
記者の言う残り800mのラップとは、ゴールから逆算した45秒3(12秒2-11秒4-10秒9-10秒8)のことである。過去10年の共同通信杯において、これに近いラップを刻んでいたのは、2019年ダノンキングリー(45秒3)、21年エフフォーリア(45秒7)の2例しかない。
ジャスティンミラノのマークした32秒6の上がり3ハロンは、前者の32秒9や後者の33秒4を上回っている。前半が超スローで脚が溜まっていたことは事実だが、ラスト1ハロンでラップの落ちた2頭に対し、ゴールまで加速し続けている点は特筆だ。少なくともレース後半で後にG1を勝った馬と遜色のないパフォーマンスを演じていたことになる。
本馬が戸崎騎手に「乗りやすかった」「距離も問題ない」と評された一方で、春のクラシック戦線に黄色信号が灯ってしまったのは、川田騎手のジャンタルマンタルと武豊騎手のエコロヴァルツだ。
距離延長のクラシック戦線で致命的な不安を露呈
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スタートを決めた両馬だが、予想以上のスローペースを嫌がったのか、前半から折り合いを欠くシーンが見られた。レース映像でも2番手をリズムよく走る勝ち馬と、行きたがるパートナーを懸命に宥めようとする姿は対照的だった。
こちらについて川田騎手は「直線で1馬身まで差が詰まったのですが、さらにそこから離されてしまった」、武豊騎手は「懸念材料がモロに出た感じです。引っ掛かかってしまい、ちゃんと走れなかったです」と振り返ったように、前半のロスが尾を引いた。
元JRA騎手の安藤勝己氏もSNSで「今日のところは操縦性の差」としつつ、ジャンタルマンタルを「行かせれば勝ってたかな」、エコロヴァルツを「先行力あるのに前走のイメージを優先したんやね」と振り返ったように、騎手の判断が明暗を分けたニュアンスの評価を発信していた。
ただ、牡馬クラシックの距離は皐月賞(G1・芝2000m)、日本ダービー(G1・芝2400m)、菊花賞(G1・芝3000m)とさらに延長していく舞台設定。1800mの共同通信杯で折り合いがつかないようでは不安が残る。
ダノンキングリーやエフフォーリア級のパフォーマンスを演じた勝ち馬の評価を下げる必要はないものの、ジャンタルマンタルやエコロヴァルツにとって、本番を見据えるには致命的な不安を露呈したかもしれない。
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