武豊も「上手い3人」に挙げる関西若手No.1に関東圏「48戦0勝」の壁…G1馬と臨むフェブラリーS(G1)で一矢報えるか
岩田望来騎手、痛恨の2連敗…
11日、東京競馬場で行われた共同通信杯(G3)は、戸崎圭太騎手が騎乗したジャスティンミラノが好位から抜け出して優勝。デビューから2連勝を飾り、春のクラシックへ名乗りを上げた。
「追ってからも味のある馬で、強かったです。乗りやすかったので距離も問題ないと思います」
テン乗りでの一発回答に白い歯をこぼした戸崎騎手。無敗で朝日杯フューチュリティS(G1)を制したジャンタルマンタルを相手に1馬身半の差をつける完勝だっただけに、順調なら皐月賞(G1)と日本ダービー(G1)でも主役級の扱いを受ける可能性もありそうだ。
そんなジャスティンミラノの勝因の一つとして挙げられるのが、鞍上の好騎乗だろう。スタートでやや後手を踏んだものの、「ペースも遅くなりそうだったので位置を取りにいきました」とは戸崎騎手のレース後コメント。結果的に、1000m通過が1分2秒7というスローペースで、後方待機勢はそろって脚を余す形で敗れており、戸崎騎手の好判断が勝負の分かれ目の一つになったかもしれない。
そんなジャスティンミラノと同じくスタートで遅れてしまい、位置を取りに行ったものの6着に敗れたのは、岩田望来騎手が騎乗した5番人気のベラジオボンド(牡3歳、栗東・上村洋行厩舎)だ。
単勝オッズはジャスティンミラノの6.6倍に対し、ベラジオボンドは7.3倍。レース前のファンはキャリア1戦の2頭に対して、ほぼ同等の評価を下していた。
最初のコーナーに5番手で入ったジャスティンミラノに対し、ベラジオボンドは3番手。しかし、1枠1番からインを進んだベラジオボンドは次々に前に入られてしまい3角で6番手、4角では7番手まで位置を下げていたのだ。結果的に上がり3ハロン32.9秒の末脚で追い上げたものの、6着までが精一杯だった。
岩田望騎手といえば、4日に開催された東京新聞杯(G3)でも断然人気を集めたマスクトディーヴァに騎乗したが大きく出遅れ。最後の直線で末脚を伸ばしたが、6着に敗れている。
昨年は全国リーディング5位、今年もここまで同6位と、今や関西の若手No.1とさえ言われる岩田望騎手だが、重賞では平場ほど結果を残せていないのが現状だ。
特に深刻なのが、栗東所属の岩田望騎手にとってはアウェイとなる関東圏(東京・中山)での成績だろう。すでに重賞を7勝している同騎手だが、先週の共同通信杯や東京新聞杯を含めて東京と中山で開催されたJRAの重賞ではデビューから48連敗中。
48頭のうち10頭は、3番人気以内と勝つチャンスがある馬にもかかわらず1勝が遠い。
G1馬と臨むフェブラリーS(G1)で一矢報えるか
そんな岩田望騎手にとって大どんでん返しのチャンスがやってくる。それがキングズソードと挑む18日のフェブラリーS(G1)だ。同馬とは昨年暮れの東京大賞典(G1)でもコンビを組み、2番人気で5着に敗れているが、J.モレイラ騎手を背に2走前のJBCクラシック(G1)を圧勝した実力馬でもある。
昨年の夏に武豊騎手が“上手いと思う若手騎手”3人の名前を挙げた際、横山武史騎手、坂井瑠星騎手と共に岩田望騎手の名前が挙がった。レジェンドからも高く評価されている若武者は48戦全敗の舞台で結果を残すことができるか。フェブラリーSでは、一矢報いる騎乗に期待したい。
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