【フェブラリーS】R.キング、C.ルメール「争奪戦」勃発か…格差10倍以上でも狭き門に急変、上位人気想定の実力馬に「門前払い」の危機
14億6900万円。数字だけ聞いても我々庶民にはピンとこない額だが、こちらは今年のサウジC(G1)の1着馬が手にする賞金である。当時よりも円安が進んだこともあり、パンサラッサが優勝した昨年の13億1865万円から1億5000万円ほど増額される見込みとなる。
これに対し、同時期に開催されるJRAのフェブラリーS(G1)の1着賞金は、1億2000万円。比較対象が世界最高峰の賞金を誇るレースとはいえ、円安で加算される額すら下回っているのは驚きだ。日本国内の景気の低迷が叫ばれて長くなるが、高額商品が飛ぶように売れたバブル時代とは隔世の感がある。
円安による増額だけでもフェブラリーSの賞金上回るサウジC
5着に入るだけでもフェブラリーSの優勝賞金を上回るのだから、ダートの一線級が我先にと挑戦するのも分かる話だ。一昔前には通用しなかった海外のダートG1でも、昨年のパンサラッサやウシュバテソーロらが勝てることを証明してくれた。
トップクラスの馬が次々に海外G1への挑戦を表明し、それに伴うフェブラリーSのレベル低下を懸念する声が出始めている昨今だが、今年に関しては少々風向きが変わりつつある。
芝から転戦のシャンパンカラー、カラテが出走を表明し、先日はガイアフォースも新たに登録。手薄に感じられた出走メンバーレベルが底上げされ、レースの面白さもアップした。賞金と無関係のファンにとっても馬券的に興味深い一戦となりそうな雰囲気だ。
しかし、「想定外の来客」が登場したことにより、レースへの出走そのものが危うくなる実力馬が出てしまったことは残念な報せである。
登録馬の中には、今年すでに重賞2勝を挙げて好調のR.キング騎手とのコンビが発表されたアルファマム、想定にC.ルメール騎手の名前があったことで注目されたオメガギネスも含まれていたのだが、上位5頭に優先出走権が付与されるレーティングでガイアフォースが当確。4日の東京新聞杯(G3)に出走していたジャスティンカフェの回避はあったものの、補欠1番手のサンライズホークが繰り上がったのみ。補欠2番手のアルファマム、同3番手のオメガギネスは出走が危ぶまれる状況となっている。
また、『netkeiba.com』が公開しているフェブラリーSの単勝予想オッズによると、オメガギネスは1番人気想定。出てくれば上位人気確実ながら、このままでは不戦敗となる可能性もあるだろう。状況的には、賞金格差10倍以上の不人気G1のように思われたフェブラリーSだが、実際のところは大人気の狭き門へと急変していたのだから驚きだ。
ただ、アルファマムやオメガギネスが「門前払い」されるようなら、今度はキング騎手とルメール騎手の争奪戦も発生するはず。どちらも騎手人気するだけに、登録各馬の今後の動向に注目したい。
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