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イクイノックス登場しても「東西格差」に変わりなし?人馬の育成でも栗東と美浦に違い…関東で「成功のカギ」を握るのは

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撮影:Ruriko.I

 8週間にわたる小倉のロングラン開催が終わり、ローカル開催は中京に舞台が替わったものの、「西高東低」の傾向に変わりはないようだ。

 未勝利戦などの下級条件では関東馬も健闘するが、やはり上のクラスになると関西馬の層の厚さを感じる結果。九州の小倉という場所的に美浦の馬は不利に映るが、実際のところはそこまで大きな割引でもない。

 滞在だと坂路やウッドチップがないとはいえ、疲労面などでは輸送リスクもない。中京へ舞台を移しても傾向にこれといった差がないことを考えれば、立地や施設よりも厩舎の違いという見方もできそうだ。

「東西格差」は人馬の育成スタイルの違いも無関係ではない?

 それは調教師リーディングでも一目瞭然であり、1位の友道康夫調教師をはじめ、トップ10にランクインしている調教師は栗東所属が多数。関東は木村哲也調教師と堀宣行調教師の2人という状況である。

 勿論、リーディング上位のトレーナーが管理している馬には、最大勢力であるノーザンファームの生産馬が多いとはいえ、昔から付き合いのある個人馬主や牧場の馬など、様々なタイプの馬でも結果を出していることは間違いない。

 対する関東はというと、トップの木村調教師でさえ管理馬の大半がノーザンファーム天栄の育成馬やクラブの馬。昨秋のG1で関東馬の躍進が伝えられたが、それも外厩仕上げのノーザンファーム天栄の馬によるものだった。本来の底上げという意味とは少々異なる印象だ。

 また、騎手の選定に関しても同様で、今年の木村厩舎が挙げた全11勝のうち10勝がC.ルメール騎手で残りの1勝も川田将雅騎手というもの。つまり、関東の厩舎でありながら関東所属の騎手では未勝利ということになる。そのあたりにも少し違和感を覚える。

「関西では走る馬に若手を乗せてチャンスを与えることもあれば、調教をつけてくれた騎手にそのまま競馬でも乗せるケースが往々にしてあります。最近話題になった話では、杉山晴紀調教師がフェブラリーS(G1)でガイアフォースに長岡禎仁騎手を起用していましたし、清水久詞調教師や西園正都調教師などは、今年デビューの新人騎手をこれでもかというくらい乗せています。

それでいて全国リーディングでトップ10に入っているのですから立派というしかないでしょう。目先の利を取るなら、そういった選択はできないですし、そもそも弟子は取りません。それだけ関西では人を育てることも大事という風土が出来上がっています。成績を出し始めてから、一流になってから頼もうとする関東の調教師たちとは器が違うように感じますね」(競馬記者)

 こういった東西格差について、関東の厩舎を担当する別の記者からも似たような話も聞かれた。

「栗東は全体的な底上げができていて、極端に結果を出せない厩舎が少ないですが、美浦では年間で2つや3つしか勝てない厩舎も多数存在しています。今年にしても、もう3月中旬になるというのに未勝利の厩舎は二桁以上もあります。極端なことを言いますが、美浦で成績を出すにはノーザンファーム天栄の育成馬を集めるしか方法はないです。

今は木村厩舎、国枝栄厩舎、宮田敬介厩舎、林徹厩舎を中心に走る馬が順番に流れている状況です。特に木村厩舎の3歳世代は層が厚いですよ。クラシックでも桜花賞(G1)にチェルヴィニア、皐月賞(G1)にレガレイラと上位人気濃厚の馬がいますし、クイーンC(G3)2着の素質馬アルセナール、ダービー路線を目指しているヘデントールやマーシャルポイントなどもいます」(別の記者)

 記者が名前を挙げた以外にも、秘密兵器と噂されているニュージーズも毎日杯(G3)を経由してからのダービー出走を狙っているらしい。栗東は実力上位の厩舎が拮抗しているため、ある意味均衡が保たれているのだが、美浦の場合は走る馬を管理する厩舎が決まっているため、一口馬主やPOG(ペーパーオーナーゲーム)をやる人は、木村厩舎から選べばアタリを引ける可能性も高く、リスクも減らせるといったところか。

 つまるところ、関東の場合はノーザンファームや天栄との繋がりが成績にそのまま直結するということだろう。

 余談になるが記者に聞いた話によると、今年の2歳馬は国枝厩舎に大物候補が多数預けられるという噂も聞いた。牝馬の大物で名を馳せた国枝調教師も定年まであとわずか。引退までに何とか牡馬のクラシックを勝てるように、関係者がバックアップ態勢を整えているらしい。もしそうならPOGでも注目を集めそうだ。

GJ 編集部

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