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高松宮記念「雨予報」で5年連続“道悪”開催が濃厚! 馬場悪化で浮上する「香港の刺客」……そのワケとは

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雨は避けられそうにない今年の高松宮記念

 いよいよ本格的な春のG1シーズンがやってくる。今週末の24日に中京競馬場で開催されるのは、春のスプリント王を決める高松宮記念(G1)だ。

 今年は総勢23頭がエントリーしたものの、フルゲートは16頭。昨夏の函館スプリントS(G3)を勝ったキミワクイーンや、先月の阪急杯(G3)で2着したアサカラキングですら除外対象という非常にハードルの高い一戦となった。

『netkeiba.com』が公開している予想オッズによると、1番人気は悲願のG1制覇を狙うナムラクレア。これをトウシンマカオ、ルガル、ママコチャなどが追う展開になっているが、かつてのロードカナロアのような絶対的な存在はおらず、どの馬が勝っても全く不思議ではない雰囲気が漂っている。

 そんな今年の高松宮記念でカギとなりそうなのが、当日の馬場状態だろう。

 20日時点の気象庁の天気予報を確認すると、レース前日の土曜から日曜にかけて傘マークがついている。両日ともに「曇一時雨」だが降水確率は60%なので、良馬場での開催は厳しいか。不良馬場までは行かなくとも、重馬場もしくは重に近い稍重のコンディションが濃厚だ。

 実は、この高松宮記念は2020年から4年連続で重か不良で開催されている。スピード自慢のスプリンターにとって道悪を苦手とする馬も決して少なくない。

 実際に不良馬場で行われた昨年は、1番人気のメイケイエールが12着に惨敗。鞍上の池添謙一騎手が「飛びが大きくきれいな馬なのでここまで(馬場が)悪くなると、この馬には向いていない」と嘆いたように、馬場コンディションを敗因の一つとして挙げていた。

 そんな昨年の高松宮記念を制したのが12番人気のファストフォースだ。他馬がぬかるんだ馬場に脚を取られるのを尻目に、最後の直線で力強く抜け出して優勝。500kgを優に超えるパワフルな馬体は、いかにも道悪巧者そのものだった。

 今年の高松宮記念も道悪が濃厚なら、昨年2着のナムラクレアは軽視できないだろう。4歳馬のルガルも不良馬場だった昨年の橘S(L)を5馬身差で圧勝しており、雨を味方につける可能性が高そう。

馬場悪化で浮上する「香港の刺客」

 そしてもう1頭、激走候補として名前が挙がるのが、香港馬のビクターザウィナー(セ6歳、香港・C.シャム厩舎)である。

 本馬はキャリア14戦すべてを地元・香港のシャティン競馬場で走り、7勝2着2回という成績を残している。昨秋に稍重で行われたハンデ戦を制しているが、他の13戦は全て良馬場のため、道悪適性は未知数だ。

 ただ1200m戦の持ち時計が1分8秒前半と見劣りするため、時計を要する馬場は歓迎のクチ。加えてスタートダッシュにも定評がある。G1初制覇を果たした前走のセンテナリースプリントC(G1)では、超が付くロケットスタートを決めてまんまと逃げ切り勝ち。ハナを切ってしまえば、そう簡単にはバテない持続力も持ち合わせている。

 また、過去3年は京都競馬場が使えなかった影響で中京での開催が長かったため、道悪に加えて馬場の傷みも酷かった。ところが今年は京都開催があったため、最終週とはいえまだ3週目。たとえ道悪になったとしても、前に行く馬が有利な馬場になる可能性は高い。

 初の左回りが大きな課題となるが、デビュー前に調教を積んだ豪州では左回りのコースでいい動きを披露していたという。中京芝コースでの最終追い切りもスムーズなコーナリングを披露していた。

 短距離王国の香港からやってきた刺客は、ロケットスタートを決めて影をも踏まさぬ逃亡劇を演じることができるか。無名だからと言って、軽視すると痛い目に遭うかもしれない。

GJ 編集部

GJ 編集部

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