【皐月賞】M.デムーロ「クロフネに似ている」“化け物”の弟と芝G1制覇へ! 新たな「二刀流伝説」幕開けの予感?

2戦2勝の不気味な1頭、サンライズアース
いよいよ目前に迫ってきた皐月賞(G1)。未定だった有力候補の一角レガレイラの鞍上も北村宏司騎手に決まり、木曜午後には枠順も発表された。
ただ依然として混戦模様であることに変わりなく、『netkeiba.com』の単勝予想オッズだと1番人気のシンエンペラーでも5倍台という想定。どの馬にもチャンスがありそうなことはもちろん、伏兵陣の中に隠れた実力馬が潜んでいてもおかしくない。
中でも不気味な1頭といえば、トライアルレースではなく、すみれS(L)から皐月賞に臨むサンライズアース(牡3歳、栗東・石坂公一厩舎)だ。
昨年10月にデビューした同馬は、前走のすみれSで無傷の2連勝を決めた。レースでは向正面から豪快なまくりを決め、最後の直線でも他馬を寄せ付けず1馬身半差の完勝。出走予定だった昨年暮れのホープフルS(G1)をザ石で回避していたが、一頓挫の影響を感じさせない圧巻の走りでクラシック候補の1頭に名乗りを上げた。
そこから2ヶ月弱間隔は空いたが、最終追い切りでは本番でも手綱を握るM.デムーロ騎手を背にリズミカルな動きを披露。これにはデムーロ騎手も「折り合いはスムーズだったし、体も締まってきた」と好感触を口にした。一冠目のクラシック奪取に向けて状態は文句なしといえそうだ。
「すみれSは非トライアルとはいえ、過去にダービー馬のフサイチコンコルドとキングカメハメハ、すみれ賞時代にも後の菊花賞馬スーパークリークを送り出しているクラシックと縁のあるレース。もしここも勝つようなら令和のフサイチコンコルドになれるかもしれませんね」(競馬誌ライター)
M.デムーロ「絶対にダート馬だと思ってた(苦笑)」

また、ここまで芝で無敗と底を見せていないサンライズアースだが、血統的にはダートで8戦6勝の実績を持つ砂の強豪・セラフィックコールの弟となる。同馬といえば昨年のみやこS(G3)をデムーロ騎手とのコンビで制したことはまだ記憶に新しい。
兄のことを「化け物感ある」「あの馬ヤバくない?」などと絶賛していたデムーロ騎手だが、『netkeiba.com』に連載しているコラム『Road to No.1』によれば、初めてサンライズアースに乗った際には「(兄に)けっこう似てるなぁ」と思ったそうで「走りが丸い感じで、力もありすぎるくらいだから、絶対にダート馬だと思ってた(苦笑)」と感じたようだが、芝でも全く問題なく結果を残した。
当初はダートのほうがベターだと思うものの、能力が高いから芝でデビューするのもありだと思ったようだが、現時点では想像をはるかに上回る快進撃といえる。デムーロ騎手がスタミナやパワーの凄さをしきりに称賛しているだけに、中山の急坂も問題なさそうだ。
ちなみにサンライズアースのパワーとスタミナを評価するのは、担当である石坂厩舎の渡辺勉厩務員も同じだ。「今までやってきた中で(スタミナとパワーが)ここまでの馬はいなかったかな」とまで評しており、「クロフネに似ている」と、NHKマイルC(G1)とジャパンCダート(G1)で芝と砂の二刀流G1制覇を成し遂げた名馬に例えるほど期待が大きいようだ。
なお渡辺厩務員はかつて名門・松田国英厩舎に在籍しており、そのクロフネや芝とダートで重賞を勝ったブロードアピールなど実力馬を手掛けてきたベテラン厩務員である。
そんな腕利きがクロフネの名前を引き合いに出したということは、ひょっとすると今後サンライズアースに芝・ダート両方での活躍を見据えている可能性もあるか。果たして、今年の皐月賞は新たな二刀流伝説の幕開けとなるのだろうか。
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