あっさり日本ダービー制覇なら“ナリタブライアン級”の評価も?皐月賞馬ジャスティンミラノに立ちはだかる「2つの壁」とは

先週末に行われた皐月賞(G1)。牡馬クラシックの第一関門を制したのはジャスティンミラノ(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)だった。
2着コスモキュランダとはクビ差だったとはいえ、1000m通過が57秒5の超ハイペースを4~5番手から追いかけての勝利。レースレコードだけでなく、従来のコースレコードを0秒7も更新する驚愕の時計を叩き出し、どんぐりの背比べとまで揶揄された現3歳牡馬の中において、頭一つ抜けた存在へと躍り出たことは間違いないだろう。
「勝つだろうなぁ、二冠制覇の可能性が大だよね」
これは競馬評論家の井崎脩五郎氏と元JRA騎手の細江純子さんの共通した意見である。皐月賞のレース後、2人は出演する『フジテレビ みんなのKEIBA』のYouTubeチャンネルに出演。皐月賞を振り返る中で、ジャスティンミラノの二冠はほぼ当確という見解で一致した。
デビューから無傷の3連勝で皐月賞を制したジャスティンミラノだが、友道師によると、レース後も栗東に滞在し、そのままダービーに向かうことになるという。
近年、皐月賞を勝った馬はレース後に外厩で調整され、概ね5月上旬にトレセンに帰厩。そこから追い切りを重ねることが多かった。実際に在厩のまま二冠獲りに挑む皐月賞馬は2015年のドゥラメンテ以来、実に9年ぶりだそうだ。
「皐月賞からダービーまでの間隔は1か月半(中5週)。ここ数年は激戦の疲れを癒やすため、外厩施設でリフレッシュしてからダービーに臨むケースがほとんどでした。
しかし、今年のジャスティンミラノはそのまま栗東に滞在。ダービー3勝の名トレーナーの手元に置かれたまま、二冠獲りに挑むことになりそうです」(競馬誌ライター)
ジャスティンミラノは、デビューから無理のないローテーション、東京での経験、これまでの勝ちっぷりなどから、二冠はもはや当確級とさえ言われるが、そうは問屋が卸さない。ジャスティンミラノには「2つの大きな壁」が立ちはだかることになる。
ジャスティンミラノに立ちはだかる「2つの壁」とは
1つ目は安泰とも思える「共同通信杯(G3)→皐月賞→ダービー」というローテーションだ。無理のない間隔と、共同通信杯で東京コースを経験できる理想的にも見えるレース選択だが、実はこの3つのレースを3連勝した馬はこれまで1頭もいない。
グレード制が導入された1984年以降、ゴールドシップ、イスラボニータ、ディーマジェスティ、エフフォーリアの4頭が3連勝に挑んだが、ダービーではいずれも敗れている。ただし、5着に敗れたゴールドシップを除く3頭は本番で3着以内は確保しており、ジャスティンミラノも大きく崩れるようなことはないだろう。
そして2つ目は皐月賞をレコードで制した馬は、続くダービーで苦戦していることである。
1か月以上の間隔があるとはいえ、レコード駆けの反動もあるのかもしれない。2000年以降は、ノーリーズン、ロゴタイプ、ディーマジェスティ、アルアインの4頭がやはりダービーで二冠を逃している。
ただ1990年代までさかのぼると、皐月賞をレコードで制し、ダービー馬に輝いた歴史的名馬の名前が浮かび上がる。それが1994年の三冠馬ナリタブライアンだ。
実は「シャドーロールの怪物」の異名を取るJRA史上5頭目の三冠馬は、共同通信杯、皐月賞、ダービーの3つのレースを制覇している。しかも今では考えにくい強行ローテといえる、共同通信杯後にスプリングS(G2)にも出走し、勝利を挙げていた。
ジャスティンミラノはゆとりあるローテーションを歩みながらも、3戦すべてが関東遠征。慣れが見込めるとはいえ、次走のダービーも長距離輸送のリスクを抱えている。レース間隔もこれまでで最も短い中5週。超絶レコードの反動も小さくない不安要素となる可能性もあるだろう。
ただ次走もあっさり勝つようなら、「令和のナリタブライアン」と呼ばれることになってもおかしくない素質の持ち主であることもまた事実。本番まで1か月強。果たしてジャスティンミラノは、どんな成長曲線を描いてレースを迎えることになるのだろうか。
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