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「正直よく分からない」「今日は走らなかった」武豊すら戸惑った惨敗…7冠馬の父が勝てなかった宝塚記念、ドウデュースはライバルのリベンジに続けるか

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グランプリ連覇を狙うドウデュース 撮影:Ruriko.I
グランプリ連覇を狙うドウデュース 撮影:Ruriko.I

 上半期を締めくくるグランプリ・宝塚記念(G1)の枠順が20日に発表。1番人気が予想されるドウデュースは4枠4番、ジャスティンパレスは2枠2番、ベラジオオペラは3枠3番にそれぞれ決まった。

 決戦の日となる23日まで刻一刻と近づきつつあることを実感する。主役はもちろん昨年の有馬記念(G1)で鮮やかな復活劇を演じたドウデュースだ。鞍上の武豊騎手が中間の追い切りで絶賛していたようにグランプリ連覇に視界は良好。勝負どころで進路がなくなって不完全燃焼に終わったドバイターフ(G1)からの巻き返しが期待される。

永遠のライバルは昨年、父のリベンジに成功

 実績最右翼のドウデュースが本命視される今年の宝塚記念だが、本馬の父ハーツクライは2005年の宝塚記念に出走してスイープトウショウの2着に敗れている。父と同じく有馬記念を制したドウデュースだが、父の敗れた舞台でリベンジを果たせるだろうか。

 実はひと足先に父のリベンジに成功したのが、キタサンブラック産駒のイクイノックスだ。父は2017年の宝塚記念で単勝1.4倍の大本命に支持されたものの、まさかの9着に惨敗。不可解な敗戦に主戦の武豊騎手すら「不利があった訳ではありません」「今日は走らなかった」「正直よく分かりません」と戸惑いの弁を残すのが精一杯だった。

 福永祐一騎手(現調教師)のシュヴァルグランが意表を突く逃げの手に出たことで場内がどよめいたが、稍重で1000m通過60秒6ならそれほどペースは速くない。好位につけたキタサンブラックにとっても、いつもの競馬だったはずである。

 しかし、最後の直線に入った時には手応えも怪しくなり、シュヴァルグランと一緒にズルズルと後退。2頭揃ってこれといった見せ場も作れずに凡走してしまった。

「あくまで当時の憶測に過ぎませんが、前走の天皇賞・春(G1)の疲れが響いたのではないかと感じました。このレースは前半から11秒台のラップが連続して刻まれる消耗戦。最終コーナーで抜け出しを図ったキタサンブラックにシュヴァルグランが真っ向勝負を挑んだレースでした。

息のつまるデッドヒートを制したキタサンブラックがライバルを退けましたが、良馬場の3200mで3分12秒5のスーパーレコード。前年の菊花賞(G1)を楽勝していたサトノダイヤモンドでさえ、3着に伸び負けたほどでしたから、目に見えないダメージは大きかったかもしれません」(競馬記者)

 ちなみに今年の天皇賞・春も目に見えないダメージは少々気がかりだ。勝ち馬のテーオーロイヤルはレース後に骨折が判明。15着に惨敗したドゥレッツァは熱中症のような症状が見られた上に、その後骨折していたことが分かり、秋の海外遠征も白紙に戻った。同レース経由で宝塚記念に出走するブローザホーンやディープボンドは、穴党の注目を集めそうだが、当日の気配も入念にチェックしておきたい。

 週末の京都地方は降雨が濃厚なだけに、出走各馬の道悪適性も問われるレースとなりそうだ。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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