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【キーンランドC(G3)展望】ナムラクレアか、サトノレーヴか…主戦・浜中俊は「盟友」に騎乗! D.レーン、武豊、C.ルメールらWASJ参戦の豪華ジョッキーたちも参戦

ナムラクレア
ナムラクレア 撮影:Ruriko.I

秋のスプリンターズS(G1)を見据えるキーンランドC

 25日、札幌競馬場ではキーンランドC(G3)が開催される。サマースプリントシリーズの第5戦というだけでなく、秋のスプリンターズS(G1)に直結するレースだけに、今年もスプリント王の座を視野に入れた強豪が集った。さっそく展望したい。


 中心は昨年の覇者ナムラクレア(牝5歳、栗東・長谷川浩大厩舎)で間違いないだろう。

ナムラクレアの近5走成績
ナムラクレアの近5走成績

 昨年はこのキーンランドCで重賞4勝目を挙げ、スプリンターズSでも1番人気に推されたナムラクレア。しかし、スタートでやや遅れてしまうと最後の直線で懸命に追い上げたが、最後はマッドクールとの2着争いに1馬身差敗れる格好での3着だった。

 この時、この「1馬身差」が2頭の運命を大きく分けるとは誰が予想できただろうか。ここまでの主な勝ち鞍がリステッドの春雷Sだったマッドクールだが、このG1・2着で賞金の上積みに成功。順当に春の高松宮記念(G1)へ駒を進めると、再びナムラクレアに先着してG1初制覇を飾っている。2頭の着差はアタマ差だった。

 一方のナムラクレアは、前年に続く高松宮記念2着。悔しい思いを胸に挑むのが、今回のキーンランドC、そして秋のスプリンターズSとなる。待望……いや、悲願のG1制覇へ向け、ここは力の違いを見せておきたいところだ。鞍上は主戦の浜中俊騎手だ。


 その一方で、このキーンランドCの開催当日は夏競馬の祭典・ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)の真っ最中。札幌に集ったトップジョッキーたちにとって、このレースは第2の稼ぎどころとなる。

サトノレーヴの近5走成績
サトノレーヴの近5走成績

 中でもサトノレーヴ(牡5歳、美浦・堀宣行厩舎)とD.レーン騎手は、浜中騎手にとっては要警戒のコンビと言えるだろう。

 前走の函館スプリントS(G3)で重賞初制覇を飾ったサトノレーヴだが、鞍上は浜中騎手だった。キャリア8戦中5戦で手綱を握る文句なしの主戦騎手だったが、今回はナムラクレアに騎乗。かつての相棒の挑戦を受け止める立場にある。

 重賞初制覇を飾った前走も「力通りでした。良い馬で、乗っていて安心できます。今後が楽しみ」と賛辞を惜しまなかった浜中騎手だけに、サトノレーヴの力は誰よりも理解しているはず。逆にサトノレーヴは、ここでナムラクレアを下せば、主役の1頭としてスプリンターズSを迎えることになりそうだ。


 この2頭に割って入る存在として、モリノドリーム(牝5歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)の名を挙げておきたい。

モリノドリームの近5走成績
モリノドリームの近5走成績

 ここまで16戦5勝。前走の青函S(OP)が待望のオープン初勝利と実績面ではナムラクレアはもちろん、サトノレーヴにも大きく劣るモリノドリーム。だが、この馬はキャリア5勝すべてを函館・札幌で挙げている典型的な洋芝巧者である。

 前走の青函Sもクビ差の辛勝と目立った特別派手なレースぶりではなかったが、函館・札幌の芝なら5戦5勝と勝率100%。そこへ、鞍上にC.ルメール騎手を配してきたとなれば陣営の本気度も伝わってくる。相手は格上かもしれないが、一発逆転があるとすれば今回か。


 逆にここで存在感を示しておきたいのが、ビッグシーザー(牡4歳、栗東・西園正都厩舎)ではないだろうか。

 モリノドリームが勝った前走の青函Sでは1番人気に推されたものの6着止まり。鞍上の鮫島克駿騎手が語ったように59キロという斤量が響いたのかもしれない。前々走の函館SSで3着している通り、洋芝が合わないというわけではないだけに、ここは巻き返しておきたいところだ。

 また、リステッド・オープンを4勝もしているビッグシーザーだが、実は重賞では今年のオーシャンS(G3)2着が最高成績。秋のスプリンターズSへ、ここは重賞初制覇の箔をつけて駒を進めたいところだ。今回は坂井瑠星騎手が騎乗する。


 フレッシュな3歳馬では、エトヴプレ(牝3歳、栗東・藤岡健一厩舎)とダノンマッキンリー(牡3歳、栗東・藤原英昭厩舎)の2頭を挙げておく。

エトヴプレの近5走成績
エトヴプレの近5走成績

 3歳No.1スプリンターの座を懸けて争われた前走の葵S(G3)で1番人気に推されていたエトヴプレ。しかし、レースはピューロマジックが逃げ切り、2番手からペアポルックスが2着、3番手からナナオが3着と典型的な“行った行った”のレースとなった。

 エトヴプレは中団から懸命に脚を伸ばすも4着。ピューロマジックはその後、古馬を相手に北九州記念(G3)を快勝するなど、大きく飛躍しただけにエトヴプレもそれに食らいついて行きたいところだ。鞍上は主戦の藤岡佑介騎手。

 一方のダノンマッキンリーは、すでに前走のUHB賞(OP)で古馬と初対戦して6着だった。結果的には2番人気を裏切ってしまったが、この時が初の1200mだった上、勝ったプルパレイから0.2秒差なら収穫はあったはず。重賞初制覇を飾ったファルコンS(G3)で見せた末脚が発揮できれば、ここでも上位争いに食い込めるはずだ。好調な戸崎圭太騎手の手腕にも期待したい。

オオバンブルマイ
オオバンブルマイ 撮影:Ruriko.I

 他にも武豊騎手とコンビを組むオオバンブルマイ(牡4歳、栗東・吉村圭司厩舎)は今回が初の1200mと楽しみは大きい。洋芝巧者のゾンニッヒ(牡6歳、栗東・池江泰寿厩舎)、プルパレイ(セン5歳、栗東・須貝尚介厩舎)、ジュビリーヘッド(牡7歳、栗東・西園翔太厩舎)、シナモンスティック(牝5歳、美浦・宗像義忠厩舎)らも、ここなら上位進出のチャンスがあるはずだ。

 果たして勝つのは、秋のスプリンターズSを見据える実績馬か、夏のスプリント王を目指す上がり馬か、もしくはここに懸ける稀代の洋芝巧者か……。陣営の様々な思惑が絡み合うキーンランドCは25日の15時35分に発走を迎える。

GJ 編集部

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