【CBC賞(G3)展望】3歳No.1ピューロマジックVS未完の大器アグリ! サマースプリントシリーズ第4戦はフルゲート必至の大混戦
18日には、中京競馬場でサマースプリントシリーズ第4戦・CBC賞(G3、芝1200m)が開催される。今年は想定段階で21頭を数えるなど、フルゲート必至のメンバーが集った。さっそく展望していきたい。
中心は、夏のスプリント王へ驀進するピューロマジック(牝3歳、栗東・安田翔伍厩舎)か。
ここまで9戦4勝ながら、こと1200mに限っては6戦して重賞2勝を含む3勝、2着2回と連対率100%。今年のダービー馬ダノンデサイルが所属する安田翔厩舎だが、世代No.1スプリンターはこの馬かもしれない。
圧巻なのは、そのスタートダッシュの速さだろう。昨年9月に逃げる競馬を試みて初勝利を飾ってから、現在7戦連続でハナに立っている。特に前走の北九州記念(G3)では、600m通過32.3秒というハイペースで飛ばしながら、そのまま押し切って見せた。
勝てばサマースプリント王をほぼ手中にできる一戦だが、最大の問題はハンデだろう。葵S(G3)を勝って挑んだ前走の北九州記念では、古馬相手ながら53キロを背負った。それでも押し切って見せたのだから、今回はさらなる増量が見込まれる。3歳牝馬という斤量的なアドバンテージは、あまり見込めない状況だ。
その一方で、ここを勝って重賞3連勝となれば、いよいよ秋のスプリンターズS(G1)で主役を張ることになるかもしれない。夏のスプリント王、そして日本のスプリント王へ、ピューロマジックの真価が問われる一戦になる。鞍上は葵Sでコンビを組んだ横山和生騎手だ。
もちろん、対する古馬陣も指をくわえて世代交代を許すわけにはいかない。特にアグリ(牡5歳、栗東・杉山晴紀厩舎)はG3なら、完全に格上の強豪だ。
昨春、4連勝で阪急杯(G3)を制し、すい星のごとくスプリント界の新星となったアグリ。だが、勢いそのままに挑んだ高松宮記念(G1)では3番人気に推されるも、最後の直線で不利を受ける不完全燃焼。7着に敗れた。
だが、その後も勝利こそないもののセントウルS(G2)2着や阪神C(G2)で3着するなど一線級相手に互角以上の走りを見せている。その一方で1番人気に推された今年1月のシルクロードS(G3)を2着に取りこぼすなど、やや詰めの甘さを残っている点が課題か。
待望のG1制覇へ、まずはしっかりと重賞2勝目を掴んでおきたい。鞍上は西村淳也騎手になりそうだ。
初の1200mで新味が期待できそうなのがスズハローム(牡4歳、栗東。牧田和弥厩舎)だ。
キャリア4勝の内3勝を挙げる1400mのスペシャリストのスズハローム。今春の京王杯スプリングC(G2)でも、初の重賞挑戦ながら3着に善戦している。
菊花賞(G1)を勝ったサトノダイヤモンドの産駒だが、こちらは母父である短距離王ローレルゲレイロの血が濃く出ているのかもしれない。今回は初の1200mが課題になるが、神経質な面があるため距離短縮がプラスに働くかもしれない。前走の京王杯SCでも付きっ切りで調教するなど、今回も手綱を取る鮫島克駿騎手が高く評価している馬。ここで結果を出せば、今後の選択肢も広がるはずだ。
他にも2勝クラス、3勝クラスを連勝してきたキタノエクスプレス(牡6歳、栗東・坂口智康厩舎)、レッドヒルシューズ(牝4歳、栗東・武英智厩舎)、福島テレビオープン(OP)を勝ったカリボール(牡8歳、栗東・西村真幸厩舎)らの勢いは侮れない。4着だったカンチェンジュンガを筆頭に北九州記念(G3)転戦組もハンデ次第で逆転の目があるはずだ。
夏競馬を彩るサマースプリントシリーズも第4戦と、夏のスプリント王の行方がうっすらと見えてきた。フルゲートのハンデ戦が予想されるなど、混戦必至のCBC賞は18日の15時35分に発走を迎える。
PICK UP
Ranking
17:30更新- 武豊「動くこともできませんでした」悔い残る連敗も収穫あり!秋華賞で「74連敗」克服にボンドガール陣営は手応え
- アーモンドアイ、イクイノックスのシルクから大物登場! ダブルハートボンドが超抜時計で大差勝ち!
- 【京成杯AH】柴田善臣「単勝161.8倍」で波乱演出! アスコリピチェーノを上回る末脚に「偉い馬」
- ジャスティンミラノ、ロードカナロア級の「怪時計」が続出…“ヤリ過ぎ中山開催”に驚きの声
- 【ローズS】マスクトディーヴァはなぜ7番人気の低評価だったのか?意外な事実で見えた幻の二冠牝馬レガレイラ×ルメールVS“勝率75%”川田騎手×中内田厩舎の行方
- 鮫島克駿「次に向けて、いいステップになった」女王ママコチャ復活の好騎乗も、スプリンターズS(G1)は2年連続川田将雅で
- 今村聖奈世代から勢力図一変!福永祐一も評価する穴騎手に再浮上のチャンス。C.ルメール「マンション売却」で北海道とお別れ?【週末GJ人気記事ぶった斬り!】
- 【愛チャンピオンS(G1)展望】日本のシンエンペラーがディープインパクト産駒の愛国馬オーギュストロダンに挑む
- 【セントライト記念(G2)展望】M.デムーロ×コスモキュランダが菊を見据えて出陣!
- 「英クラシックを世界の最前線へ」1970年のニジンスキー以来、約50年ぶりの三冠馬誕生なるか
関連記事
【小倉記念(G3)展望】3歳馬のシリウスコルトが中心も大混戦! 皐月賞(G1)2着馬コスモキュランダ、日本ダービー(G1)3着馬のシンエンペラーに次いだ実力を示せるか
【関屋記念(G3)展望】国枝栄VS堀宣行VS木村哲也! 夏のマイル王、そして秋の実りを見据え関東のトップ厩舎が激突
【レパードS(G3)展望】秋のダートG1戦線を視野に3歳素質馬が集結! ジュンライトボルト半弟、川田将雅の“教え子”、国内戦復帰の良血馬らが覇を競う
【エルムS(G3)展望】芝G1大金星を挙げたあの1頭がダート重賞初制覇を狙う! 故障に泣いた大器の復活なるか?
「天覧競馬」に沸いた天皇賞の興奮とルーツに迫る!過去ヘヴンリーロマンス、エイシンフラッシュ、イクイノックスが勝利【競馬クロニクル 第66回】