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ゴールドシップ、そしてソダシ…名門厩舎の浮沈を握る札幌2歳S(G3)の系譜

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ソダシ
ソダシ 撮影:Ruriko.I

名門・須貝厩舎と札幌2歳Sの歴史

 古くはアドマイヤムーンやロジユニヴァース、近年もソダシやジオグリフといった後のG1馬が勝ち馬に名を連ねる札幌2歳S(G3)が31日に行われる。

 今年はデビュー戦で驚愕のレコードを叩き出したキングスコール(回避)、コスモス賞(OP)を7馬身差で圧勝したアスクシュタインなどが注目されているが、今回はマジックサンズ(牡2歳、栗東・須貝尚介厩舎)に着目したい。

 先月の函館・芝1800mのデビュー戦で単勝2.0倍の1番人気に応えたマジックサンズだったが、そのレース内容は決して盤石ではなかった。鞍上・佐々木大輔騎手の「ゲートの出が良くなくて」という言葉通り、スタートで後手を踏み、さらに巻き返そうとしたところを両サイドの馬に挟まれるアクシデント。「理想のポジションではなかった」と振り返っている通り、想定外の競馬を強いられた。

 さらにレースは、稍重だったとはいえ1000m通過が65.4秒という超がつくスローペース。佐々木騎手が「折り合いを欠いていた」と話している通り、マジックサンズはずっと力んでいる様子だった。

 普通の馬なら惨敗まであってもおかしくない競馬だったが、マジックサンズが「違い」を見せたのが勝負所の3、4コーナーを迎えた時だった。各馬がスパートに入る中、中団から外に持ち出されると、スッとポジションを上げて先頭集団を射程圏に。これには佐々木騎手も「他とは行きっぷりが違いました」と大きな手応えを感じていたようだ。

 終わってみれば、逃げたルージュマローネが3着、2番手のビーオンザカバーが2着と典型的なスローからの前残り決着だったが、マジックサンズがライバルたちをねじ伏せるように突き抜けて勝利。着差こそ2着と2馬身差だったが、力の違いを見せつける勝利だった。

 そんなマジックサンズの2戦目になる札幌2歳Sといえば、所属する関西の名門・須貝厩舎にとっては相性の良さだけでなく、思い入れの深いレースでもある。

ゴールドシップにレッドリヴェール、ソダシ、そして…

開業3年目で挑んだ2011年はゴールドシップで惜しい2着。厩舎の重賞初制覇こそならなかったが、本馬がここを皮切りに大きく羽ばたいたことは周知の通りだ。

 翌年には皐月賞(G1)と菊花賞(G1)、有馬記念(G1)を勝利して最優秀3歳牡馬に輝いたゴールドシップは、古馬になってからもビッグタイトルを上積みしてG1・6勝。新鋭だった須貝厩舎の看板として、その実績以上にファンからも愛された存在となった。

 その後、ジャスタウェイが台頭して2枚看板になった須貝厩舎だが、三の矢となったのが2013年の札幌2歳Sを勝ったレッドリヴェールだ。3連勝で阪神ジュベナイルF(G1)を勝って2歳女王に輝くと、翌年は桜花賞(G1)2着から果敢に日本ダービー(G1)に挑戦。敗れはしたが、当時は大きな話題にもなった。

 そこから数年間は当時の勢いに陰りが出ていた須貝厩舎だったが、再び脚光を浴びたのが、2020年の札幌2歳Sの勝ち馬ソダシの出現だ。

 ソダシもまたレッドリヴェールのように無敗で阪神JFを勝利すると、翌年も桜花賞を制覇。結局、G1こそ3勝だったが、世界的にも珍しい白毛の女王として多くのファンに愛された。

 そんなソダシの札幌2歳S制覇から4年。マジックサンズは須貝厩舎が再び覇権を握る起爆剤になれるだろうか。須貝厩舎×サンデーレーシングといえば、昨年はガイアメンテが1番人気に推されながらも6着に敗れた。そのリベンジも懸かっているはずだ。

GJ 編集部

GJ 編集部

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