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川田将雅×中内田充正「出走機会4連勝」ローズS無双も本番の秋華賞では…クイーンズウォークに見えた課題

クイーンズウォーク
クイーンズウォーク 撮影:Ruriko.I

 15日、中京競馬場で行われたローズS(G2、芝2000m)は、2番人気のクイーンズウォーク(牝3歳、栗東・中内田充正厩舎)が勝利。春のクイーンC(G3)に続く重賞2勝目を挙げ、秋華賞(G1)へ大きく前進した。

 15頭立てで行われたレースは、セキトバイーストが大逃げを打つ波乱の展開となったが、クイーンズウォークの主戦・川田将雅騎手は「離して逃げてはいましたけど、こちらのリズムで走りながら前を射程圏に入れて」と余裕の対応。最後の直線では逃げ粘るセキトバイーストを鮮やかに差し切って、2着チェレスタに1馬身半差をつける完勝だった。

 これで秋華賞の主役の1頭に躍り出たクイーンズウォークだが、注目すべきはローズSにおける川田騎手と中内田充正厩舎との相性の良さだろう。

 ローズS・4勝目となった同コンビだが、その実績も然ることながら2019年のダノンファンタジー、2020年のリアアメリア、2022年のアートハウス、そして今回のクイーンズウォークと近6年で4勝を挙げていることになる。

 ちなみに「川田騎手×中内田厩舎」のコンビがローズSで敗れたのは、初挑戦だった2018年のオールフォーラヴのみ。現在出走機会4連勝中で「出てくれば勝つ」という驚異的な相性を誇っている。

 だが、その一方でこの「最強コンビ」には大きな課題が残されていることも確かだ。

 ローズSといえば、言うまでもなく牝馬三冠の最終章・秋華賞の王道トライアルである。2000年以降でもミッキークイーンやジェンティルドンナ、ダイワスカーレットなどがここから本番の勝利に繋げていたが、近年ではオークスからの直行組や紫苑S(G2)組といった別路線組が結果を残しており、ローズSの地位が揺らぎつつあるのだ。

 その遠因になっているのが川田騎手×中内田厩舎のコンビで、実は先述した2019年のダノンファンタジー、2020年のリアアメリア、2022年のアートハウスの3頭は王道トライアルの覇者として秋華賞でも人気を集めながら、いずれも敗れている。それもアートハウスこそ4番人気5着とまずまずだったが、リアアメリアが2番人気13着、ダノンファンタジーが1番人気8着と散々な結果に終わっている。

「川田騎手×中内田厩舎といえば、競馬界でも最高のコンビの1つだと思いますが、実はトライアルなどの前哨戦で結果は出すものの、それがなかなか本番に繋がらないという傾向があります。クイーンズウォークには、そんなジンクスを吹き飛ばしてほしいですね」(競馬記者)

 実際にこれでJRA重賞が通算41勝目になった中内田厩舎だが、実はその内G2が18勝もある。これはG3/G2/G1のレース数のバランスを鑑みれば異常な割合といえ、中内田厩舎がG2に強いと言えば聞こえはいいが、同時に前哨戦の結果が肝心のG1に繋がっていないとも言える。

 クイーンズウォークの快勝に終わったローズS後、川田騎手が「前哨戦のつくりですので、目いっぱいの競馬ではない」と言えば、中内田調教師も「休み明けで、まだ良くなる余地を残しての状態」と、本番を見据えての余裕残しだったことを強調している。

 昨年はリバティアイランドで牝馬三冠を達成した川田騎手×中内田厩舎コンビだが、あの時は阪神ジュベナイルF(G1)以降、まったく前哨戦を使っていなかった。果たして、最強コンビは課題を克服できるのか。さらなる上積みに期待して、本番の秋華賞を待ちたい。

GJ 編集部

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