
イクイノックス、コントレイル級の衝撃走る!志半ばで引退マスクトディーヴァ弟がクラシック候補に大前進

C.ルメール騎手とアーバンシックのコンビがラスト一冠の菊花賞(G1)で待望のG1勝利を挙げた先週末だが、その前日に来年のクラシックを盛り上げそうな馬が勝利を飾った。
イクイノックス、コントレイル級の衝撃走る
メインレースの富士S(G2)が行われた土曜東京。同日の9RアイビーS(L)を制したドゥラメンテ産駒、マスカレードボール(牡2、美浦・手塚貴久厩舎)の内容がとにかく秀逸だったのだ。
馬名から何となく察しがつくように、本馬は先日に屈腱炎を発症して繁殖入りが発表されたマスクトディーヴァ(父ルーラーシップ)の半弟である。G1級のポテンシャルを持ちながら不運にもタイトルに手が届かなかった姉の無念を晴らすためにも、クラシック候補に名乗りを上げた弟の活躍に期待がかかる。
本馬がデビューしたのは8月新潟の2歳新馬(芝1600m)。前残りの目立った時計の出やすい高速馬場で後方から先行各馬を一刀両断。勝ち時計の1分35秒8(良)こそ平凡に映るが、内容としてはモノの違いを見せる勝ち方だった。
そして2戦目を迎えたこの日、好スタートを決めた今回は多少行きたがるシーンもあったものの、マイペースの逃げに持ち込んだC.ルメール騎手のシルバーレインを手応え十分に追走。最後の直線で懸命に追いすがる1番人気ピコチャンブラックを子供扱いしてしまった。
「ゴール前でもまだ手応えに余裕がありましたし、完勝といえる好内容でした。負かした相手はデビュー戦で7馬身差の圧勝をしていたキタサンブラック産駒。前走と違って戸崎圭太騎手も上手く乗っていましたね。馬体重も前走の460キロから12キロ増と成長して472キロ。血統的にもクラシックで期待したい馬です。
際立ったのは1分45秒8(良)の勝ち時計です。これは芝1800mで開催されるようになったアイビーSで過去最速。この時期の2歳馬としては異例の好タイムといえるでしょう。比較対象としてもアイビーSより東京スポーツ杯(G2)の方がいいくらいです。評判馬クロワデュノールに強敵が登場しましたね」(競馬記者)
記者の評価が高かったのも頷ける。というのもリステッドのアイビーSを圧勝したマスカレードボールだが、1ヶ月後に行われる東京スポーツ杯(G2)と比較しても勝ち負け可能と思えるほどの好タイムだったからだ。
同じ東京の芝1800mを舞台に行われる東スポ杯での過去10年でも、マスカレードボールより速い時計で制した馬は、無敗の三冠馬コントレイル(1分44秒5)のみ。同タイムも2年前のガストリック1頭であり、後の世界最強馬イクイノックス(1分46秒2)を上回っている。
勿論、レースの展開や馬場状態も大きく関係するが、この時期にこれだけのパファーマンスを演じたマスカレードボールの将来は明るいはず。今後の活躍はG1で惜しいレースの続く戸崎騎手の腕次第といったところかもしれない。
PICK UP
Ranking
5:30更新「最強マイラー」に降りかかった予想外の火の粉…「名義貸し」の発覚したオーナーは馬主資格をはく奪、不運の名馬トロットサンダー【競馬クロニクル 第41回】
「そういえば、ビリーヴは牝馬やったな」から20年…「JRA賞」の栄誉は孫世代へ
武豊「スキャンダル」「ケガ」など揺れに揺れた2017年。弟・幸四郎騎手「引退」から小浦愛「不倫疑惑」、そしてキタサンブラック「大団円」までをプレイバック!
- 「死活問題」発生に競馬YouTuberが絶滅の危機!? 突然の動画削除にファンも動揺…… チャンネル配信者らに何が起こったのか
- 「元イエスタカス」ダッシングブレイズ重賞制覇に高須院長も「イエス」!? 名前に翻弄された素質馬の飛躍が話題
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 有馬記念に続き東京大賞典も「記憶力」が決め手…最強フォーエバーヤングから絞りに絞った2点で勝負!
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
関連記事
マスクトディーヴァ、ブレイディヴェーグが前哨戦で激突!C.ルメールも頭を悩ませるエリザベス女王杯はハイレベル必至?
マスクトディーヴァ、ナミュール末脚不発…「単勝208.6倍」テンハッピーローズが戴冠! ヴィクトリアマイル(G1)天国からの後押しふたたび
J.モレイラ「短期免許」条件クリアに暗雲…「スムーズな競馬ができなかった」マスクトディーヴァで痛恨の取りこぼし、残るチャンスはあと「2回」
J.モレイラ「出禁回避」へ負けられない戦い! 桜花賞馬ステレンボッシュは「騎乗不可」、日本ダービーでも悩ましい選択?
ヴィクトリアマイル(G1)マスクトディーヴァ「前走快勝」が波乱の引き金に?ラインクラフト、ミッキークイーンら人気馬も陥った「落とし穴」とは