世界王者ハイランドリールが有終の美!菊花賞馬キセキ「不完全燃焼」で日本馬勝利ならず……【香港国際競走・回顧】

10日、香港のシャティン競馬場で香港ヴァーズ、香港スプリント、香港マイル、香港カップという4つのG1から成る香港国際競走が開催された。
毎年、多くの日本馬が遠征することがお馴染みとなった香港国際競走。今年も菊花賞馬キセキや国際G1馬のネオリアリズム、マイル王サトノアラジンなど8頭が出走。日本でも海外馬券が発馬されるなど大きな盛り上がりを見せた。
香港ヴァーズ(G1)芝2400m
1番人気は、ここが引退レースとなる愛国馬ハイランドリール。そこに日本の菊花賞馬キセキが続き、米ブリーダーズCターフ(G1)でハイランドリールを退けたフランスのタリスマニックが3番人気と「3強」を形成。4番人気にJ.モレイラ騎乗の日本馬トーセンバジルが支持された。
12頭立てのレースは、揃ったスタートからヘレンカリズマが単騎で集団を引っ張る流れ。ハイランドリール、タリスマニックといった有力馬が2番手集団につけ、トーセンバジルが中団、キセキは最後方からの競馬となった。
向正面に入り、残り1000mとなった辺りで2番手集団から抜け出したハイランドリールが、逃げるヘレンカリズマにプレッシャーを掛けに行く。ややレースの流れが速くなり、トーセンバジル、キセキといった後方集団がポジションを押し上げた。
縦長だった馬群が一気に凝縮し、全馬一団となって最後の直線へ。ハイランドリールが堂々と先頭に躍り出るが、追いかけるタリスマニック、トーセンバジルの手応えも良い。残り200mを切って、2頭がハイランドリールに並び掛けたが、そこからが王者の貫禄か。再びハイランドリールが後続を突き放すと、最後はタリスマニックに1馬身3/4差をつけて有終の美を飾った。
レース後、鞍上のR.ムーア騎手も「彼は闘志に火がつくと、いつも勝利に向けて頑張ってくれる。最後の1ハロンで、もうひと伸びした」と世界のトップを争ってきたハイランドリールの底力を絶賛。
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