JRA浜中俊騎手にラストチャンス!?「超大物」ヴェロックスが8馬身差衝撃デビューも主戦を「絶対に譲りたくない」理由
これは第2のダノンプレミアムか、はたまたワグネリアンか……。
5日に小倉競馬場で行われた新馬戦(芝1800m)は、浜中俊騎乗のジャスタウェイ産駒ヴェロックス(牡2歳、栗東・中内田充正厩舎)が圧勝。ほぼ追うところなく、最後の直線だけで8馬身差をつける衝撃的なデビューを飾った。
「現時点で言うべき課題は見当たりません」
鞍上が最大限の称賛を述べた通り、見る者を圧巻させるレースぶりだった。1800mを16頭立てで行われたレースで、8枠15番と外からの発進だったヴェロックスは、好スタートを決めると好位グループの一角へ。
1000m通過は61.9秒と、この時期の新馬戦としてはまずまずの流れの中、終始外々を回らされていたが、前に馬を置かなくても折り合いに不安を見せることもなかった。結局、1200m通過も74.3秒とペースが上がらず、実質的に上がり3ハロンの競馬。しかし、最後の直線を迎えてからの伸び脚は、文字通りの「ケタ違い」だった。
約300mの最後の直線を先頭に並び掛ける勢いで迎えたヴェロックスは、浜中騎手が軽くゴーサインを出すと瞬時に反応。一瞬にして逃げ粘るプラネットアースら後続に決定的な差をつけてしまった。その後は独壇場。結局、1発のムチも入れられることがないまま、最後は8馬身の大差でゴールした。
「現時点で言うべき課題は見当たりません。スタートも上手に出られて、道中も上手に走っていました。直線仕掛けての反応も調教通りでした。これは良い出会いになりました」
レース後の浜中騎手の言葉通り、まるで歴戦の古馬のようなまったくスキのない競馬。新種牡馬となる父ジャスタウェイもデビュー戦を5馬身差で飾ったが、早くも「後継者」が出現したのだろうか。
「2着のプラネットアースの松若風馬騎手も『今日は相手が悪過ぎました』と驚いていましたが、小倉競馬場がどよめきに包まれる強さでしたね。
父ジャスタウェイもドバイデューティーフリー(G1、現ドバイターフ)を6馬身差でレコード勝ちし世界No.1の評価が下されるなど、見る者に衝撃を与えるレースぶりが印象的でしたが、その父を彷彿とさせるようなド派手な走りでした。
この世代が最初になる新種牡馬なので、まだ種牡馬ジャスタウェイの特徴は見えませんが、今日のレースぶりを見る限り、距離延長も問題なさそう。今から来年のクラシックが楽しみです」(競馬記者)