JRA藤田菜七子「2018年」の軌跡。勝ち星「倍増」で女性騎手・最多勝記録更新も、賛否を呼ぶ”菜七子ルール”誕生……激動の一年を振り返る
JRA(日本中央競馬会)にとって、16年ぶりの女性騎手としてデビューした藤田菜七子騎手。その3年目のシーズンが間もなく終わろうとしている。
「JRAで女性騎手は通用しない――」
1年目が6勝、2年目が14勝、そして3年目の現在すでに27勝。今や、そんな”先入観”を完璧に打ち砕いた藤田菜七子騎手。2年連続で勝ち星を倍増させる活躍ぶりは、例え男性の新人騎手であったとしても「極めて順調に階段を上っている」といえるだろう。もう彼女が勝ったことは、良くも悪くも大きなニュースにさえならないのだ。
3年目のシーズン2018年は”ビックリシタナモー”で始まった一年だった。
藤田菜七子の今年初勝利は20歳を迎えた彼女にとっても祝いとなる1月8日「成人の日」に訪れた。それも結果は長い写真判定の末の1着同着。「勝ったと思ったんですけど、戻ってきたら、微妙と言われたので……」と本人も驚いた後にホッとした、まさに「びっくりしたなあ、もー」で幕を開けたシーズンだった。
初勝利こそ話題性もあって大きく報じられたが、2勝目はその翌週に訪れた。騎乗したクルークハイトが、1番人気に応えて5馬身差の圧勝。1年目がゼロ、2年目もわずか1勝に終わった「1番人気1着」という騎手にとって最大の勝ちパターンが、3年目は序盤であっさりとクリアした。
「1番人気に騎乗できた環境」そして「1番人気で結果を残した信頼感」。一見、楽な勝利だが、この「楽勝」こそ勝てる騎手にとって何より重要なこと。これは1人の若手騎手としても、数字以上に大きな勝利と言えただろう。
その後も中京、小倉、福島とローカルで順調に勝ち星を重ねていく藤田菜七子騎手。4月には化粧品メーカー主催する『第3回 黒髪美人大賞』選出され、プロ野球の始球式も務めるなど競馬以外の分野でも注目を集めた。
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