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JRA藤田菜七子「2018年」の軌跡。勝ち星「倍増」で女性騎手・最多勝記録更新も、賛否を呼ぶ”菜七子ルール”誕生……激動の一年を振り返る

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 中でも菜七子騎手とのコンビで2勝目を上げたマルーンエンブレムは、母がブラックエンブレムという良血馬。残念ながら母が制した秋華賞参戦は叶わなかったが、お手馬の中では屈指のスケールを誇る存在だけに来年以降、大舞台に挑戦する人馬が見られるかもしれない。

 また翌9月には、自身2度目の1日2勝を達成。それも初の騎乗機会2連勝のオマケつきだ。同時に3年目にして初の新馬勝ちもゲット。他にもいくつか2歳未勝利戦を勝つなど、将来性のある2歳馬で結果を残すことは、後々にも好影響をもたらすはずだ。

 その後も11月には自身最多となる5勝をマークするなど、順調に勝ち星を伸ばしていった藤田菜七子騎手だが、12月には痛恨の出来事があった。

 毎年、数多くの有力馬が遠征する香港国際競走が開催され、日本でも阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)が12月9日。有力な騎手不足という背景もあり、藤田菜七子騎手に貴重な重賞挑戦の機会が巡ってきた。中山で行われたカペラS(G3)である。 

 騎乗したブラゾンドゥリスは14番人気ということもあって最下位に終わってしまったが、どうやら水面下でこのレースを1番人気に応えて勝利したコパノキッキングからも騎乗依頼があったようだ。

 本馬のオーナーは、菜七子騎手が通算31勝を上げG1騎乗の資格を得た時から「いつかG1に乗せたい」と語っていたDr.コパこと小林祥晃氏。最終的に菜七子騎手が先約を優先したことによって”すれ違い”となった格好だった。

 無論、仮にコパノキッキングに藤田菜七子騎手が騎乗して、同じように勝利を上げられたかは別の話だ。だが、少なくともこれまで重賞で上位人気になるような馬に騎乗したことがない菜七子騎手にとっては痛恨の出来事……関係者の話によると「エージェントをつけていないことが裏目に出た」とのことだった。

 しかし、同月にはそんなショックも吹き飛ぶようなビッグニュースが舞い込んだ。

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