『RTDリーグ2018』20回戦が「神回」と話題沸騰! 帝王・佐々木寿人が言葉を失う中「奇跡の逆転」トップを決めたのは
解説席、そして卓上から漏れる激しい息遣いが重圧となって場を支配する中、残りわずか1巡となったところで猿川に「試練」が訪れた。
引いたのは危険牌の3索。最終局面を迎え、危険牌の数も相当絞られている中、これまで”不退転”の覚悟で不要牌を切り出していた猿川の手も思わず止まる。解説の佐々木が「これは”降り”もある」と述べるほど苦しい牌。確かに親番の平賀がリーチしている以上、降りての次局持越しという選択肢はあった。
息の詰まる重い時間が流れる。口元に手をやって集中力を研ぎ澄ます猿川。すでに自分のツモ番はない。ポイントとなるのは、リーチ掛けているため唯一、出あがりの可能性がある平賀のツモ番が残っていることだった。
やがて、猿川が静かに切り出したのは3索だった。ドラの1索を残し、純チャン・ドラ・ドラという自らの逆転に一縷の望みを託したのだ。同じ連盟の先輩にあたる佐々木が「歯を食いしばって3索を打った」と後輩の決意を称える。
「これが……笑顔のトップに繋がるか――!」
実況の小林の声が思わず上擦った瞬間、最後の最後、平賀の手から切り出されたのは、ドラの1索だった。渾身の上がりを決めた猿川がロンを宣告し、静かに牌を倒す。まさかの展開に呆然とする平賀。佐々木も「いやあ、凄い……」と再び言葉を失う。
終局を迎えても誰も席を立たないどころか、言葉も発しない。逆転トップを許し、厳しい表情で卓を見つめる勝又。今シーズン屈指の激戦の余韻が色濃く残る中、ここまで苦しみに苦しみ抜いた猿川が20回戦目にして、ついに念願の初トップを手にした。
あまりにも劇的な幕切れに、対局を見守ったネット上のファンからも「今回は、神回!」「これがRTD!」「もう深夜なのに時間忘れて見入ってしまった」「ヤバイ、劇的過ぎるだろ」など深夜の12時を回っていたにもかかわらず、興奮を隠せない称賛コメントが殺到。初トップを決めた猿川にも、温かい声が数多く寄せられていた。