多井隆晴が『多井熱』で語る麻雀界の真実。最強プロが見た「地獄」本当に怖いのは……プロ2000人全員「勘違い」と襲来するブーム終焉の時
――地獄から「No.1」と言われるところまで這い上がった。具体的に何が一番変わったのか。
多井:意識ですね。ファンが求める多井隆晴があって、自分がその「多井隆晴だぞ」っていうことは常に意識しています。「麻雀界背負ってんだぞ」ってね。もう家を出た瞬間から意識してますよ。誰にも見られていないような対局でも、全国ネットで何十万人が見てるつもりで打ってます。
――『多井熱』の中でも「ファンが何を求めているかを、常に意識しよう」と書かれている。
多井:今の麻雀プロは、ホントに勘違いしてるんですよ。例えば『AbemaTV』の麻雀チャンネルにしたって、僕ら麻雀プロのためにあるんじゃなくて、視聴者のためにあるんですよ。なのに麻雀プロは、自分がチャンネルに必要なキーパーソンの1人のように思ってるんですね。
ぶっちゃけ、麻雀プロが全国に2,000人いるとしたら、それが明日全員いなくなっても何の影響もないんですよ。代わりに麻雀の打てる芸能人を適当に集めたり、一般の中から公募すれば、もうそれなりの麻雀番組ができるんで。麻雀プロが出ていなくても『THEわれめDEポン』とか面白いじゃないですか。麻雀チャンネルがそういう番組を中心にすれば、麻雀プロなんかいらないもん。なのに、それを2,000人全員が勘違いしてるんですよ。
だから、相当な反発が出ると思いますけど『多井熱』では、強くそこを言いたかったんですよ。今の麻雀界の凄くいい流れを勘違いするなと。
――今の麻雀ブームは、麻雀プロが作ったものではない。
多井:今の麻雀ブームなんて、サイバーエージェントの藤田晋社長が「やーめた」って言えば、それで終わりですよ。
例えば、今まで『AbemaTV』の麻雀チャンネルで一番視聴数があったのは脱衣麻雀の番組。その次が、僕がMCをやった「坊主麻雀」。その後にRTDリーグとか、プロの麻雀番組が続いてる。この現実は受け止めないといけないでしょ。僕らよりも、女の子が麻雀をやるついでに、ちょっと露出したりする方が視聴者は見ちゃう。僕らは麻雀チャンネルの中でさえ、出演者のイチ部分にすぎないんです。プロなしでも、全然やっていけてしまうんですよね。
盛り上げたいんですよね、麻雀界全体をもっと。僕のことを好きでも嫌いでもどっちでもいいんですよ。興味を持ってほしいんです。僕に関心があれば、麻雀にも関心を持って頂けるので。今のうちに何かを起こさないと。本当に、今の麻雀界にはいい流れが来ているので。
――この流れを活かし、より麻雀界を盛り上げるためには。
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