【出版記念インタビュー】「運」と向き合い、自分を見つめるーー麻雀界の鬼才・土田浩翔プロ30年の生き様に見る「『運』の育て方」~前編~
「土田システム」を操り、「麻雀界の鬼才」「トイツ王国の王子」と称される土田浩翔氏。麻雀界屈指の人気を誇るトッププロが、デビュー30周年を記念し、自身が長きにわたり蓄積してきた「運」に対する考え、メソッドを凝縮させた『「運」を育てる 麻雀界の異端児 土田浩翔の流儀』(KADOKAWA)が今月18日に発売となった。そこで今回、ギャンブルジャーナルが同氏にインタビューを敢行。麻雀の世界に入ったきっかけや「運」に対する思いや扱い方、忘れられない勝負、そして自分自身と向き合い続ける生き方の作法まで、勝負の世界に生きる男の”矜持”に迫った。
父の言葉、麻雀の世界に飛び込んだ自分
ご両親が麻雀好きだったこともあり、幼い頃から麻雀に親しんできた土田プロ。そのエピソードだけでも、決して大げさではなく「天命」「宿命」に導かれて麻雀の世界に入ったのだと思わせる。しかし、土田プロはご両親に「プロにはなるな」と口酸っぱく言われてきたと本書では記されており、それはとても重い言葉だったようだ。それでも、競技麻雀の世界に飛び込むこととなった理由を聞いた。
土田浩翔プロ(以下土田プロ):たぶん、父が生きていれば、プロにはなっていなかったと思います。それほど父の影響は強くあり、尊敬もしていました。父は「日本じゃない、もっと広い世界にいけ」という考えでしたから、そもそもプロ麻雀の世界に縁を持たなかったと思います。ただ、当時すでに亡くなっていましたし、私自身プロ麻雀士になると「目覚めた」部分もあったので、母を説き伏せるというか、説得することになったわけです。
――プロになる以前の「日刊スポーツアマ最高位戦」で優勝した際に感じた「啓示」も本書には書かれています。やはりその感覚は相当に大きかったと。
土田プロ:それももちろんありますが、20歳の時から麻雀教室のアシスタントをしていて、「麻雀は、使い方によってはものすごく人生のプラスになるな」と思い、麻雀を自身の手で世の中に広めていきたい、その一心でしたね。当時の麻雀はダーティなイメージもありましたが、やってみれば非常にポジティブな側面がたくさんあるんです。麻雀を楽しんでいる人の「笑顔」、これが自分を麻雀の世界に引き寄せた最大の要因だと思っています。
麻雀の価値、ポジティブな面を世の中に広めたいという「使命感」にも似た思いに掻き立てられて、勝負の世界に飛び込んだ土田プロ。本書は、愛する麻雀を長く続ける中で「運」について考え続けた土田プロの軌跡そのものとも言える。第二章「運を育てる」は本書のタイトルでもある項目だが、その中には「認めたくない自分と向き合う」ことの重要性が綴られている。
自分自身の弱さと向き合う
――第二章で紹介されている、自身のその日その日の欠点を記し反省を続ける「ウィークポイントカレンダー」は、麻雀プロに限らず会社員など一般でも十分に通ずるものだと思いました。特に自身の弱点を「書き出す」重要性を強く感じたのですが。
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