元JRA藤田伸二「俺は賛成しない」 職員コロナ感染も来週以降も予定通り開催の方向

 4日、JRAは職員が新型コロナウイルスに感染していたことを発表した。感染した職員は3月30日に発熱などの症状が出て、以降は自宅待機となっている。2日にPCR検査を受けた結果、3日に陽性が判明した。感染経路は不明のままだ。

 これを受けてJRAは3日夜、職員と接触があった騎手を発表した。4、5日の阪神、中山競馬で藤懸貴志、川須栄彦、岩崎翼の3騎手が騎乗予定となっていた乗り鞍は全て乗り替わりとなった。

 JRAは開催について細心の注意を払い、2月29日から無観客競馬を続けていたが、ついに職員に感染者が出てしまった。

 この件について元JRA騎手の藤田伸二氏は、自身のTwitterで「騎手も名指しで3名自粛で乗り替わり…その3名に接触してる者もいるはずなのに…」と、JRAの対応について疑問を投げかけるとともに「職員やって開催場には東京本部からの遠征の方もいる…この状況の中での開催は…」と感染の恐れが、名前が出た人物以外にも広がる可能性を懸念しる。

 また、「俺は賛成しないな…思い切った決断をしないと人も馬も可哀想な気がする…」と新型コロナウイルス感染のリスクがある状況下での開催続行について否定的な考えを述べている。

 そして「正解は分からんが死者まで出てる病原菌…難しい…」正解はわからないと配慮しつつ、今回の対応の難しさを慮った。

 感染した職員は、3月29日の高松宮記念を、阪神競馬場の調整ルーム内で藤懸、川須、岩崎騎手と一緒にテレビで観戦したようだ。関係者からの発表では、該当職員はマスクを着用しながら3人の騎手と数分の間、一緒にいたという。

 この件について、保健所から濃厚接触者と認定されたわけではなく、JRAが安全を守るための措置としての騎手変更だったと説明がされた。

 現在のところ、乗り替わりとなった3人の騎手は、平熱で健康状態も良好で検査の予定はないとされている。一方で、自宅待機がいつまで続くのかは決まっていない。

 福田理事は「JRAとしては来週以降も、予定通り競馬を実施したいと考えている。来週の状況を精査して、その都度、適切に対応したい」と今後の開催については続ける意向を表明した。

 職員が陽性と判明したのは3日だが、JRAは念のため、2日に阪神の調整ルームを消毒している。

 また、福田理事は、JRAから初の感染者が出てしまったことについて、「ファンの皆様に多大なるご心配をおかけして、お詫び申し上げます。1日も早く、JRA、競馬開催への信頼を取り戻すべく、いっそうの感染防止に務めて参りたい」と陳謝した。

 JRAは引き続き19日までの無観客競馬を発表している。今週からは大阪杯(G1)、桜花賞(G1)、皐月賞(G1)と春のG1が予定されるなかで、常に開催中止と紙一重の状況は続いている。

 5月末の東京開催では”競馬の祭典”日本ダービー(G1)が予定されているが、現在の状況が続くと無観客競馬での開催、最悪の場合は中止の可能性も十分に考えられそうだ。

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