JRAアリストテレスに渡された負のバトン!? 阪神大賞典(G2)断然人気馬を襲った魔物が忍び寄る負けられない戦い

 21日に開催される阪神大賞典(G2)。天皇賞・春(G1)の前哨戦として14頭の出走が想定されている。中でも17日現在『netkeiba.com』の予想オッズで堂々の1.2倍をつけているのが、昨年の菊花賞では無敗の3冠馬コントレイルに迫り2着、AJCC(G2)では堂々の1着を果たしているアリストテレス(牡4歳、栗東・音無秀孝厩舎)だ。

 前走、前々走を見ても納得のいく予想オッズであることはいうまでもない。だがこれまでの同馬の経験とここ最近のレースの結果をみると、「アリストテレスが危なげなく勝つだろう」という大方の予想に待ったがかかるかもしれない。

 まず注目したいのがアリストテレスの競走成績だ。本馬の走ってきたこれまでの10走の中で阪神競馬場開催のレースは2019年の2歳新馬戦、2歳1勝クラス、2020年のすみれS(L)の3走である。実はこの3走全て、アリストテレスはすんでのところで勝利に届かず、どのレースも2着という結果で苦渋を飲んでいるという事実は押さえておきたい。

 そしてもう1つ注目したいのが、ここ2週間の日曜のG2レースについてだ。3月に入ってから単勝1倍台の出走馬がいる日曜のレースが大荒れとなっていることも、同じく大本命馬であるアリストテレスにとっても他人事ではない。

 この2週間で「競馬に絶対はない」という言葉を痛感させられたファンも多かったのではないか。それこそ競馬場に魔物が潜んでいるのではないかと思えるくらいに……。

 7日の弥生賞ディープインパクト記念(G2)では単勝1.3倍という圧倒的1番人気で望んだダノンザキッドが、大方の予想を裏切る形で3着に終わった。

 そして14日の金鯱賞(G2)でも大本命馬が敗れる波乱となった。昨年、無敗の三冠牝馬という偉業を達成し、これまで負けたのはアーモンドアイとコントレイルのみというデアリングタクト。他馬に大きく差をつけての単勝1.4倍でレースに臨んだが、最低人気ギベオンの逃げ切りを許した。

 2万2730円の単勝払戻金はJRA重賞で歴代6位の額をつけたのは記憶に新しい。そしてデアリングタクトはアリストテレスと同じくエピファネイア産駒でもあった。

 2週連続で単勝1倍台の馬が不覚を取った悪い流れ。7日は中山で、14日は中京で、次は……と考えるとなんとも不気味である。またこの事実に加えてアリストテレスが阪神で未だ勝ち星がないというのも、不安に拍車をかける材料となっている。

 だがアリストテレスは昨年秋にメキメキと成長を遂げ、菊花賞(G1)ではコントレイルと接戦を演じるまでに力をつけた。今なら未勝利の阪神競馬場でも問題ないかもしれない。

 さらにここを突破した先にある天皇賞・春も、今年は京都競馬場の改修工事の関係から阪神競馬場での開催だけに、前哨戦といえども勝利が至上命題となるだろう。

 はたして、アリストテレスは勝って当然と見られていたダノンザキッド、デアリングタクトが敗れた負の連鎖を断ち切ることができるだろうか。

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