JRA天皇賞・秋(G1)次第も藤沢和雄師の匂わせ発言に現実味、「1勝より一生」グランアレグリアにジャパンC参戦の可能性!?

グランアレグリア 撮影:Ruriko.I

 3歳三冠の掉尾を飾ったG1は、秋華賞をアカイトリノムスメ、菊花賞はタイトルホルダーが制し、今週末には東京競馬場で伝統の一戦・秋の天皇賞の開催が控えている。

 古馬相手に重賞で快進撃が続く3歳の代表格であるエフフォーリアも参戦。昨年、無敗の三冠馬に輝いたコントレイルもこのレースを秋の始動戦に選んだ。年内での引退も決まっている同馬にとって、現役生活もあとわずか。古馬となった今年、G1勝利のない現状を打破するためにも、全力投球で挑む一戦となるだろう。

 前述2頭に立ちはだかるのが、グランアレグリア(牝5、美浦・藤沢和雄厩舎)。既にスプリントとマイルのG1を制しており、積み重ねたタイトルは5勝。この数字は、出走馬の中でも突出した勝利数といえる。

 中間にはノドの手術を行うという誤算もあったが、藤沢師によると軽症のため、仕上がりには問題がなかった様子。初めて2000m戦となった4月の大阪杯(G1)では、重馬場を苦にして4着と苦杯を嘗めたものの、陣営に悲観の色はない。

 このときは上がり3ハロン最速の馬でも36秒8を要した極悪馬場。スタミナは当然、道悪適性も問われる舞台だった。レース後のコメントでコントレイル(同タイムの3着)陣営が、「敗因は馬場」と振り返ったのと同じく、グランアレグリアに騎乗したC.ルメール騎手も「良の2000mなら問題ない」と分析していたからに他ならない。

 春の段階から今年の大目標を秋の天皇賞に定めていただけに、グランアレグリア陣営に迷いはない。結果的に敗れたとはいえ、大阪杯はむしろ距離に対して一定の目処が立つ走りだったということか。

 そんな中、気になったのはJRA-VANの関係者インタビューだ。競馬ライターの平松さとし氏が、藤沢師にインタビュー形式で取材を行った記事が掲載されていたので紹介したい。

 詳細については『関係者インタビュー Vol.03』をご覧いただきたいのだが、「“1勝より一生”を最後まで」をモットーとする藤沢師のグランアレグリアに対する想いが伝わる内容だった。

 一部を引用すると「大阪杯はスタミナを要する馬場が敗因」「スプリンターズSの走りから、距離短縮よりは延長の方が良い」「ワンターンの東京なら違う結果が期待できる」といった前向きなコメントが見られている。

 そして最も注目したいのが、「天皇賞の競馬ぶり次第」としつつも、「もっと長いところという可能性もないとは言えない」と藤沢師が発言していたことだ。リップサービスもあるかもしれないが、これはジャパンC(G1)への参戦もゼロではないニュアンスも含まれているかもしれない。

「第一にグランアレグリアの主戦を務めるルメール騎手の兼ね合いが大きいでしょう。マイルCS(G1)にはシュネルマイスターとのコンビがすでに発表されており、騎乗ができません。2頭がいずれもサンデーレーシングの所有馬ということを考慮すれば、『使い分け』するのは当然といえます。

となると、次の候補となりそうなのは、香港マイルやカップですが、クラブ規約の関係で年内での引退濃厚な馬を、コロナ禍の状況や海外遠征のリスクを犯してまで使うのかという疑問も残ります」(競馬記者)

 グランアレグリアもコントレイル同様に残された現役生活は長くない。となると、タイミング的にもまずは無事に牧場へ戻してあげることを最優先したいところ。そう考えると、輸送もない得意の東京コースで行われるジャパンCが引退レースとなっても不思議ではないはず。

 師の言う通り、「もっと長いところ」がジャパンCになるなら、天皇賞に続いてコントレイルとの激突も現実味が増すだろう。秋競馬を盛り上げるためにも、善戦以上の期待をしたい。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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