もし霜降り明星・粗品が有馬記念(G1)を当ててたら「税金」は? キセキ単勝100万円勝負は勝っても地獄!?

 いよいよ2021年も終わりだが、皆さんの今年の馬券成績はいかがだっただろうか。納得の回収率や的中率で終えることができた人もいれば、回収率なぞ見たくもない、恐ろしくて計算もしていないという人も多いだろう。筆者は、来年こそ前者になりたいと思うクチである。

 ふるさと納税の締切があったり、確定申告が間近に迫っていたりと、この時期、特に気になるのが「税金」ではないだろうか。

 有馬記念(G1)で払戻金300万円超の馬券を見事的中させた、サイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋氏。的中報告に続くツイートは「税金はもちろん払います。」という、まさかの納税宣言だった。

 耳タコという方はご容赦願いたいが、ここで改めて一般の馬券購入者が馬券を当てた場合の税金について、おさらいしておきたい。

 馬券の払戻金は、基本的には給与所得や事業所得など10種類ある所得のうち「一時所得」に該当するとされている。問題は、その課税対象金額の算出方法である。計算式について、国税庁HPのお知らせをそのまま引用する。

①払戻金に係る年間受取額を計算する
②払戻金に係る年間投票額を計算する
③ ①-②-50万円した金額を計算する
④ ③×1/2した金額を計算する
※上記④がプラスでない場合などについては、確定申告の必要はありません。

 以上で算出された所得額に、給与所得など他の所得を合算して、個々人の合計所得金額に応じて5%から45%の税金がかかる。

 ここで気になるのが、上記の「払戻金に係る」という一文だ。

 1年間のトータルで累計50万円オーバーの馬券を当てた場合、同日の別レースや違う日にどれだけ負けていたとしても「そのハズレ馬券の金額は一切考慮しませんよ」という意味である。

 ちなみに、ハズレ馬券を経費とする場合には払戻金が雑所得であると認定される必要があるが、こちらは非常にハードルが高いので割愛する。

 上記だけでは、どのくらい税金のインパクトがあるのかが分かりづらいかもしれない。そこで、お笑いコンビ霜降り明星の粗品が「もしも有馬記念で勝っていた場合」を例にとってみたい。

キセキ

 実際にはキセキの単勝を100万円分購入し、負けてしまったことを自身のYouTubeチャンネルで明かしているため、あくまでも仮定の話となる。

① 払戻額…キセキの単勝オッズ43.8倍×100万円=4,380万円
② 投票額…100万円
③ 特別控除額…50万円
④ 課税対象額…(4,380万円-100万円-50万円)×1/2=2,115万円
 ※本来は年間累計で計算するが、ここでは簡略化のため1レースしか勝っていないと仮定。

 控除額等は人によって異なるので一概には言えないが、上記の場合、所得税率が40%、さらに他の所得も合算すると最高税率の45%になる可能性もある。

 せっかく4,000万円超の払戻を受けても、時間差で後日数百万円の税金納付が待ち受けているというのは、なかなかのプレッシャーになる。

 事実、以前も粗品は税金の支払いに苦心していることを明かしている。今は買えども買えども馬券が当たらない「逆神」として話題になっているが、本当に怖いのは大勝ちして大金を手にしたときかもしれない。

 結婚したてのお相手のためにも、2022年の馬券で大当たりが出た場合には、どうか税金の支払い分を手元に残しておいてほしいと願うばかりである。

(文=大井ふみ)

<著者プロフィール>
競馬にハマって3、4年。周りの女性陣に布教活動を試みるもうまくいかず、おじさんの競馬仲間だけが増えていく。大井競馬場でビール片手にナイター観戦にいそしんでいたが、最近はそれすら叶わず自宅観戦の日々。

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