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武豊、池添謙一ら謝罪も沈静化せず…コロナ給付金問題で競馬施行規程を改定

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 6日、JRA(日本中央競馬会)が競馬施行規程を改定する方針であることがわかった。『読売新聞』が報じている。

 具体的には、競走に無関係の不適切行為に対しても馬主を処分できる規定を新設するとのこと。日本中央競馬会競馬施行規程の第2章「馬主」に改定が加えられそうだ。

 ついに重い腰が上がった。改定に踏み切った発端は、一昨年に競馬関係者がコロナ対策の持続化給付金を不適切に受け取っていた問題だ。

 持続化給付金とは本来、コロナの感染症拡大により、特に大きな影響を受けている事業者に対して支給されるもの。しかし、競馬は感染症拡大の中でも開催され続けており、したがって関係者の経済的な影響は限定的だった。

 しかし、税理士資格を持つ馬主が主導となり関係者に持続化給付金の申請を促すと、続々と申請者が出現。JRAの公表によると騎手、調教師を含む関係者167人で、総額1億9383万円の給付金の不適切受給があった。

武豊騎手、池添謙一騎手らが謝罪も沈静化せず…

 本件はすぐに競馬の枠を超えて、各メディアに取り上げられた。「競馬」に批判が集まる中、日本騎手クラブの会長・武豊騎手は「競馬サークルの社会的信用を一日でも早く回復することが、今の我々の責務であると考えております」と声明。受給していないトップジョッキーの池添謙一騎手でさえ「同業として恥ずかしく、申し訳なく思います」(Twitter)と謝罪する事態となったが、一部の批判的な声は止むことがなかった。

 その後、不適切受給者には戒告や厳重注意などの処分が下されているが、その一方で不正受給を先導したとみられる馬主については、事実上のお咎めなし。本件について競馬ファンだけでなく、社会全体から不信の眼差しを向けられたことは言うまでもないだろう。

 だが、現行の競馬施行規程においてJRAが馬主に対して何らかの処分を行えるケースは、例えば俗に言う八百長などレースに直接影響を与えた場合のみ。今回の競馬施行規程の改定は、今後こういったケースにも対応できるようにするためだと思われる。

 今回の改定方針を受けて、競馬ファンからは「絶対にやるべき」「やっと動いたか」「当然の改定」などSNSを通じて概ね賛成の意見が上がっている。一方で、JRAにとっても大きな一歩であることは間違いないが、未だ懐疑的な目があることも事実だ。

「『時すでに遅し』といった厳しい意見もありますが、今後に起こり得る様々なケースに対応するためにも、今回の改定は必要不可欠なものだと思います。その上で問題の焦点は、JRAが『どの程度の処分を加えることができるか』でしょう。

読売新聞によれば『過怠金や戒告の処分を加える方向で調整』とのことですが、例えば一昨年の持続化給付金問題にしても、あれだけ大規模な事件に発展しながら、その首謀者が過怠金や戒告だけの処分に終われば『それで世間が納得するのか』ということですね。

厳密には持続化給付金問題は不正受給ではなく、不適切な受給ということもあって、(対象の)騎手や調教師らと同じ過怠金や戒告が妥当だと思いますが、この処分(騎手や調教師への処分)にさえ『軽すぎる』という声があったことも事実です」(競馬記者)

 また、本件について処分の内容以上に世間が不信感を募らせたのが、対象者の氏名が公表されなかった点だ。

 無論、氏名を公表するか否かは処分する側の判断に委ねられるが、仮に騎手、調教師に過怠金や戒告よりも重い騎乗停止や調教停止などの処分が下っていれば、一般人でも少し調べれば具体的な“容疑者”が浮かび上がっていたはず。そのため一部のファンからは「JRAの隠ぺい体質が(処分の)足枷になった」という厳しい声もあった。

「処分が下った騎手や調教師でさえ氏名が非公開だったのですから、件の馬主も当然ながら氏名は公開されず。ただ一部の報道で、すでに具体名が明かされており、今回の改定にも『●●ルール誕生』などという声もありました。今後、JRAが必要に応じて処分対象の氏名を公開するかも、改定後の注目点になるでしょう」(同)

「本年もJRAは、お客様を第一に、皆様にご満足いただけるよう、『レースの迫力』『馬の美しさ』『推理の楽しみ』が一体となった競馬の魅力を高め、夢と感動をお届けします」

 年頭にはJRAの公式ホームページで後藤正幸理事長の新年の挨拶があった。競馬法が100周年を迎える今年、「競馬」が「お客様」にどれだけ真摯に向き合っていくのかも注目されそうだ。

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