
イクイノックス&ドウデュース撃破の「皐月賞馬」超え!超高額馬ダノンエアズロックがジンクス打破に前進

11日、東京競馬場で行われた芝1800mの新馬戦は、モーリス産駒のダノンエアズロック(牡2歳、美浦・堀宣行厩舎)が勝利。2着馬に1.1/4馬身差をつける快勝で初陣を飾った。
9頭立ての一戦で、最もいいスタートを決めたのもダノンエアズロックだった。序盤はスピードの違いでハナを切る形になったが、400m過ぎにギンザターゲットに先頭を譲るとしっかり2番手で折り合った。
勝負所の4角手前で3番人気のサンライズジパングに並びかけられたが、全く意に介さず。残り400mを切ったところで先頭に立つと、鞍上のムチに応えグイッとひと伸び。最後までセーフティーリードを保ったままゴール板を駆け抜けた。
レース後、騎乗したD.レーン騎手は「いいスタートを切ることができ、リズムよく前のポジションで運んで、終いもしっかりした脚を見せてくれました」と愛馬をべた褒め。その勝ちっぷりからも、今後の2歳戦でも主役を張れる存在になりそうだ。
それを裏付けるのが、1分48秒1の走破タイムである。
芝のコンディションが稍重だったにもかかわらず、この時計は6月の東京・芝1800mで開催された新馬戦史上最速。2年前に良馬場で行われ、1分48秒2をマークしたジオグリフの“レコード”を0秒1上回った。
ご存じの通り、ジオグリフは翌春にイクイノックス、ドウデュースを破り皐月賞馬に上り詰めている。“皐月賞馬超え”を果たしたダノンエアズロックに懸かる期待が高まるのも当然だろう。
また、デビュー戦の圧巻Vで一躍その名をあげたダノンエアズロックだが、実は今から11か月前にもその名を轟かせていた。
22年の7月に行われた1歳セレクトセールでのこと。その年の最高額となる4億9500万円(税込)で落札され、場内を大いに沸かせた「モシーンの2021」こそ、後のダノンエアズロックである。
注目の高額馬として、その前評判に違わぬデビュー戦勝利を飾ったダノンエアズロックだが、今後はあの「ジンクス」に付き纏われることになるかもしれない。
「セリの高額馬は大成しないというジンクスですね。実際、過去に3億円(税込)以上の高額で落札された馬は20頭ほどいるにもかかわらず、G1馬どころか重賞ウイナーもいません。
例えば、セリ史上最高額の6億3000万円の値をつけたディナシーはデビュー前の事故で競走馬登録すらされず、未出走のまま繁殖入り。同2位で6億2640万円のアドマイヤビルゴは、今も現役でオープンクラスで走っていますが、リステッド競走3勝にとどまっています」(競馬記者)
果たして初戦で重賞級の走りを見せたダノンエアズロックは、高額馬苦戦の歴史を打破できるのか。順当なら、おそらく次走は重賞になる可能性もあるだろう。今日の走りなら、あっさりこの“呪縛”を解いてくれる可能性もありそうだ。
PICK UP
Ranking
5:30更新巷に出回る川田将雅「長距離苦手説」をデータで検証、阪神大賞典(G2)で気になる「13年未勝利」の課題…リーディングジョッキーの意外な過去
皐月賞馬、ダービー馬不在の菊花賞を勝ったのは?
「庭先取引」の問題点を一変させたセレクトセール!億超え馬を落札する名物オーナーたちも登場…オープンでフェアな取引に多大な貢献【競馬クロニクル 第63回】
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- JRA 鼻血を出しながら未勝利馬が初勝利! ウオッカ、オルフェーヴルら過去の名馬も苦しんだ難病、サラブレッドに及ぼす鼻出血の影響が人間と決定的に異なる理由とは