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武豊の大本命馬が「単勝137.9倍」に交わされた衝撃シーン…デビュー戦「シンガリ負け」コスモキュランダが目指す頂点

武豊の大本命馬が「単勝137.9倍」に交わされた衝撃シーン…デビュー戦「シンガリ負け」コスモキュランダが目指す頂点の画像1

 3日に行われた弥生賞ディープインパクト記念(G2)は、伏兵コスモキュランダ(牡3歳、美浦・加藤士津八厩舎)が優勝。勝負どころで先手を打ってマクったM.デムーロ騎手の手腕も光ったが、G1・2着の実力馬シンエンペラーを寄せ付けなかった走りも見事だった。

 本番の皐月賞(G1)では父アルアイン、その父ディープインパクトに続く親子3代での制覇にも注目が集まるだろう。

 初重賞勝利を遂げ、牡馬クラシックの新たな主役候補に躍り出たコスモキュランダだが、今回は単勝オッズ34.9倍という低評価だったことからも察しがつく通り、ここまで決して順風満帆のキャリアだったわけではない。

 特に昨年6月のデビュー戦では1着から4秒6もの大差をつけられたシンガリという、目も当てられないような大惨敗を喫していた。

 初戦のひと月ほど前に美浦に入厩したコスモキュランダは、約1週間後にゲート試験も合格。至って順調にデビュー戦を迎えたはずだった。所有するコスモオーナーズの公式サイトでも「ここまで順調に進めてくることができて、良いかたちでデビュー戦を迎えることができそうです」という指揮官・加藤士調教師のコメントも確認することができる。

 しかし、陣営から手応え十分に送り出されたにもかかわらず、結果は先述の通り大惨敗。ここまでの大敗はさすがに誤算だったようで、上記の公式サイトには後日「調教からはこんな結果になることは想像できませんでした」「このような結果になりすみませんでした」と加藤士調教師による謝罪のコメントが掲載されるに至った。

 なお初戦で手綱を取った戸崎圭太騎手によれば、芝の衝撃による跳ね返りに戸惑うなど若い面も見せていたようだが、いかんせん初陣でこれだけの惨敗。この時点ではクラシックを展望することはおろか、1勝を挙げることすら危ぶまれたのではないか。

 しかし、そこから徐々に盛り返しを見せたコスモキュランダは4戦目にして初勝利を飾ると、キャリア7戦目となった今回の弥生賞では過去に先着されていたシンエンペラー、ファビュラススターを逆転しての重賞勝利。初戦でシンガリ負けを喫していた馬がまさかG1制覇にリーチをかけるとは誰が想像できただろうか。

 ちなみに1986年以降、新馬戦で最下位だった馬がクラシックを勝利した例は存在しない。JRAの平地G1級勝利を果たした馬となると、近年ではサンライズバッカスとケイティブレイブのダートG1馬2頭が知られている程度だ。

有馬記念で武豊とメジロマックイーンを撃破したダイユウサク

 これだけでも相当なレアケースだったことは間違いないのだが、さらにもう1頭、オールドファンにおなじみの馬もデビュー戦でシンガリ負けを喫していたことに触れておきたい。

「コスモキュランダと同じ芝馬でデビュー戦最下位からG1ホースまで上り詰めた馬といえば、ダイユウサクも知られるところです。同馬は初陣となった1988年10月の400万下で1着馬から13秒もの大差をつけられたシンガリ負けを経験している馬でした。

しかし徐々に力をつけていき1991年の京都金杯(G3)で初重賞勝利を飾ると、同年の有馬記念(G1)では単勝137.9倍の超人気薄だったにもかかわらず、武豊騎手騎乗で単勝1.7倍の大本命メジロマックイーンを破る大金星。

内からスルスル抜けてきたダイユウサクがメジロマックイーンを交わしたゴール前はなかなか衝撃的なシーンで『これはびっくりダイユウサク!』という名実況でもオールドファンにはおなじみの馬です」(競馬誌ライター)

 ただ、ライターが挙げてくれたダイユウサクはシンガリデビューから京都金杯で初重賞勝利を飾るまで、実に2年以上もの歳月を要した。それに対してコスモキュランダは最下位だった初戦からわずか9ヶ月足らずで重賞タイトルを手にしたのだから、その急成長ぶりは目を見張るものがあるといえよう。

 果たしてコスモキュランダは想像を超えるような進化で、このまま一気に頂点まで上り詰めるのか。クラシック一冠目・皐月賞での走りに注目だ。

GJ 編集部

GJ 編集部

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