ファンディーナ、アドミラブル……底知れないスケールの「新星」は何故G1で撃沈したのか?この春「最後」の大物グレーターロンドンの期待
かつてシンボリクリスエスやゼンノロブロイ、フェノーメノ、ウインバリアシオンといったG1級が勝ち馬に名を連ねるダービートライアル・青葉賞(G2)。この歴史的に見ても充分な実績のある王道トライアルから未だダービー馬が生まれないのは、ある意味奇跡的でもあった。
だからこそ青葉賞をレコード勝ちしたアドミラブルへの期待は高かった。勝ちタイムの2:23.6は、空前のハイレベルといわれた昨年の日本ダービーよりもコンマ4秒も速い「ダービー基準」を十分に満たしたものだった。
だが、今年の日本ダービーは歴史に残る超スローペースとなってしまう。ペースがほぼ上がらず純粋な瞬発力勝負となり、大外枠からの発走となったアドミラブルにはあまりにも厳しい展開……。
最後は上がり最速の末脚を発揮するなど意地は見せたが、優勝争いからは大きく遅れた3着に追い上げるのが精一杯だった。
まずはっきり言えるのは、今春のG1開催で「新星」といわれたファンディーナ、シャケトラ、アドミラブルの3頭は、いずれも決して弱いわけではないということだろう。確かに結果が伴わず、人気を裏切る格好となったが、3頭とも紛れもなく現役トップクラスの能力の持ち主。いわれているほど過剰評価されていたわけでもなさそうだ。
ただ、それでも敗れたのは、持っている能力を発揮できなかったからだ。きついマークにあったり、流れが合わなかったり、枠順に恵まれなかったりと理由は様々だが、偏に「経験が足りていなかった」というのは一つの答えにはなるだろう。
無論、圧倒的な能力、もしくは運にも恵まれて初挑戦でG1を勝ってしまう馬もいる。そういった意味で、彼らの運や実力が足りなかったこともまた事実だ。