JRA天皇賞・春(G1)「余裕の切り」リッジマンは無視でいいのか? データ通用しない「今年」なら?
28日に行われる天皇賞・春に競馬界の超個性派と言うべきリッジマン(牡6歳、栗東・庄野靖志厩舎)が出走する。どんなレースができるのだろうか。
大牧場で生産された良血馬が設備の整った施設で訓練を積み、大レースで強い勝ち方をする。それが現代競馬だ。一方、中小牧場で生産されたそれほど良血とは言えない競走馬が良血馬たちを一蹴することもある。こちらも競馬の醍醐味の1つ。リッジマンは天皇賞・春という晴れの大舞台に実力で上がってきた。
デビューは門別のダート1000メートル戦。1番人気で優勝した。その後、札幌のクローバー賞(オープン、芝1500メートル)で2着に好走し、札幌2歳S(G3、芝1800メートル)に挑戦したが7着だった。こうやまき賞(500万下、芝1600メートル)から栗東の庄野靖志厩舎に転厩した。
距離を伸ばしていくに連れ徐々に成績が上がり、昨年の年始め、万葉S(オープン、芝3000メートル)とダイヤモンドS(G3、芝3400メートル)で2着になるほどの成長を見せた。秋の丹頂S(オープン、芝2600メートル)で待望のオープン勝ちを収めると、暮れのステイヤーズS(G2、芝3600メートル)で重賞初制覇を飾る。
このとき庄野調教師は周囲の関係者に抱きついて喜びを表現した。庄野厩舎のスワーヴリチャードは2歳時からエリート路線を歩み、昨年の大阪杯(G1、芝2000メートル)でG1初制覇を達成したが、リッジマンのステイヤーズS制覇はそれとは格別のうれしさだったろう。庄野調教師は「地方から来て、G2を勝てるまでになった」とリッジマンの成長ぶりを称えた。
ステイヤーズS後は有馬記念(G1、芝2500メートル)で12着、阪神大賞典(G2、芝3000メートル)で6着と惨敗している。陣営は春の目標を天皇賞・春に設定したが、まったくの用無しなのだろうか。
「3000メートル超の重賞を勝ったからといって、それだけでは天皇賞・春には通用しません。たとえばステイヤーズSを3連覇、ダイヤモンドSも勝っているアルバートは天皇賞・春に3回出走して6着、5着、8着でした。有馬記念は1度走って7着です。天皇賞・春のメンバーとステイヤーズS、ダイヤモンドSのメンバーはレベルが決定的に違います。リッジマンも安心して切れる1頭でしょう」(競馬記者)
ところが、次のように語る競馬雑誌記者もいる。