JRA菊花賞(G1)「前走余裕仕上げ」ザダル陣営不敵な笑み? トーセンラー産駒の星に
20日に京都競馬場で開催される菊花賞(G1)。皐月賞馬サートゥルナーリア、毎日王冠(G2)で古馬を圧倒したダノンキングリーなど、有力馬が相次いで回避したため、今年も大混戦の様相を呈している。その1戦で存在感を示したいのが、ザダル(牡3歳、美浦・大竹正博厩舎)だ。
デビュー戦を逃げて快勝したザダルは、2戦目も好位追走から上がり最速の脚を見せて勝利。そしてプリンシパルS(L)を迎える。5、6番手で追走すると最後の直線では鋭く内を突いて進出。先に抜け出したエングレーバーを捉えて優勝し、日本ダービー(G1)への優先出走権を獲得していた。
だが本番のダービーは、脚元の疲れが出たとしてとして回避。そのまま放牧に出されることになった。そして休養明けで挑んだセントライト記念(G2)。最内枠を引いたザダルはロスなく内を進み、最後の直線を迎えた。だが先に抜け出したリオンリオンを捉えようと進出するも届かず、さらにサトノルークスにも競り負けて3着に終わっていた。
「初重賞で馬券圏内に入ったことは評価できるのでは? 鞍上の石橋脩騎手も内枠だったのでゲートには気を使ったものの、『良いスタートを切ってくれました』と語り、さらに『うまく捌いて、最後も良い脚でした』とレースを振り返っていました。また『ゴチャつきそうでも、自分からスッと動ける器用さがあります』と同馬を高評価しています。
また管理する大竹調教師も前走について、『余裕残しの仕上げ』だったことを明かし、『前哨戦としては悪い内容ではなかった』と話していました。今回はじっくり仕上げられているようですし、期待できるはずです」(競馬誌ライター)
ザダルは調教助手が騎乗して、1週前追い切り。南ウッドチップコースで6F83秒5、12秒9を記録し、大竹調教師も「長めから馬なりで良い動きでした」と満足げだった。
「ザダルは13年のマイルCS(G1)覇者であるトーセンラー産駒。ディープインパクトを父に持つトーセンラーは、種牡馬入りしたものの、初年度から種付け数も少なく、“ディープインパクトの後継種牡馬争い”でライバルに遅れを取っています。ですがこのザダルが好走を続ければ、トーセンラーも種牡馬として人気を集めることにもつながるはず。活躍している産駒も少ないだけに、ザダルが種牡馬トーセンラーの今後を握っているといっても過言ではないでしょう」(競馬記者)
キャリアが少ないこともあり、まだまだ底を見せた感がないザダル。菊花賞で上位進出を果たし、父トーセンラーの種牡馬としての評価を再考させることができるのだろうか?