JRA福永祐一「藤田菜七子の夢」砕く!? 芝の短距離王ミスターメロディ、約1年半ぶりダートも「圧勝」まである理由
藤田菜七子騎手の初G1制覇に期待が集まる11月4日のJBCスプリント(G1)。騎乗馬のコパノキッキングで前走、自身初となる重賞勝ちを飾っているだけにチャンスは十分だ。開催地・浦和競馬場には記録的な数のファンが殺到しそうだ。
だが、G1はそう簡単に勝てないからこそ価値がある。歴史的瞬間を阻止しようとするライバルたちの中でも、芝のスプリント王ミスターメロディ(牡4歳、栗東・藤原英昭厩舎)は、特に注目すべき存在だろう。
春の高松宮記念(G1)でG1初制覇を成し遂げたミスターメロディ。今秋、統一制覇が期待されたスプリンターズS(G1)は4着に敗れたが、今度はダート界の頂点に矛先を向けた。
ミスターメロディにとってダートレース出走は昨年2月以来と約1年半ぶり。実績的にも4戦2勝で500万下を勝った程度だ。果たして、いきなりのダートG1で通用するのだろうか。
「陣営は、今回の参戦の一番の理由として『左回り』のレースに魅力を感じているようです。ダート適性に関しては、やってみないとわからない部分はありますが、血統的にまったくダメということはないでしょう。実際にデビュー戦はダートですから」(競馬記者)
前走のスプリンターズSのレース後、主戦の福永祐一騎手が「手前をどう替えさせられるかがポイントでしたが、手前を上手く替えれませんでした。その分ひと伸びがきかなかったです。右回りと左回りの差ですね」と敗因に右回りのレースだったことを挙げている。
実際に、高松宮記念やファルコンS(G3)といった重賞勝ちのある中京は左回り。例えダートでも、左回りの浦和競馬場で行われるJBCスプリントは、ミスターメロディ陣営にとって狙う価値のあるレースということだ。
「もし、ここで結果を出せるようなら、来年の根岸S(G3)、フェブラリーS(G1)、そしてドバイゴールデンシャヒーン(G1)といったダートレースは、すべて左回り。ミスターメロディにとって、大きく選択肢が広がりますし、陣営はそこまで見据えての今回の参戦だと思いますね。
もちろん高松宮記念連覇も魅力的ですが、ここを圧勝するようなら、来年は(高松宮記念と同時期に)ドバイで走っているかもしれませんよ」(同)
血統的にもミスターメロディの父スキャットダディは昨年、無敗の米国三冠馬ジャスティファイを輩出したことで評価がうなぎのぼりの旬の種牡馬だ。また母父のデピュティミニスターも日本ではフレンチデピュティ→クロフネといった芝のG1馬を出した血統として知られている。