JRA「無観客」でサートゥルナーリア無双!? 金鯱賞(G2)へ「落ち着いて走ることができれば」最大のネック気性難に僥倖……
5日、JRA(日本中央競馬会)は公式ホームページを通じ、今週末7日、8日に行われる競馬開催を引き続き無観客で実施する意向を発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、日本全国の様々なイベントやスポーツが開催を自粛、または延期となる中、JRAも先週から競馬開催を無観客で執り行うことを決定。馬券売り上げはネット購入の促進もあり、先週は予測以上の売上となったが、今週も苦渋の決断となった。
何よりも残念なのは、現地観戦を予定していた地元の競馬ファンだろう。春の連続G1開催を控え、トップホースが続々と登場するのが、この時期だ。そんな春競馬の開幕を告げる中山・阪神・中京開催から無観客となったため、ネット上やSNSでも「現地に行く予定だったのに」という“悲鳴”が数多く見られる。
一方、関係者の間では、異例の無観客競馬が「思わぬ“追い風”になるのでは」と期待されるトップホースがいるようだ。
「来週の金鯱賞(G2)に出走を予定しているサートゥルナーリアですね。実力は確かなんですが、気性面に問題があって……。昨年の有馬記念(G1)でも本馬場入場して、すぐにスタンドから遠ざかるなど、お客さんの声援に過剰に反応してしまう繊細なところがあるようです。
無観客競馬の続行は残念ですし、1日でも早く元の開催に戻ってほしいですが、サートゥルナーリアにとっては落ち着いて走れる環境かもしれません」(競馬記者)
デビュー当初から母である日米オークス馬「シーザリオの最高傑作」と言われ、菊花賞(G1)とジャパンC(G1)を勝ったエピファネイアや、2歳王者のリオンディーズら兄を超える大器と期待されていたサートゥルナーリア。
G1・2勝を含むデビュー4連勝、昨年の有馬記念でも2着と期待に違わぬ走りを見せているが、その一方で日本ダービー(G1)、天皇賞・秋(G1)は不完全燃焼で敗れる精神的な脆さも併せ持っている。
「昨秋の神戸新聞杯(G2)の圧勝劇は、過去に同じレースを勝ったオルフェーヴルやゴールドシップ以上のパフォーマンスという評価。昨年の有馬記念で唯一敗れたリスグラシューが引退した以上、今年はサートゥルナーリアの時代になると期待されています。
もしこのまま無観客開催が続くようなら、春競馬はサートゥルナーリアが“無双”するかもしれませんよ」(別の記者)
4日に栗東のCウッドで行われた1週前追い切りでは、ラスト11.3秒とさすがの切れを見せたサートゥルナーリア。陣営も「有馬記念のように落ち着いて走ることができれば」と、気性面さえクリアできればと目論んでいる。
多くの競馬関係者、そしてファンにとっても無観客競馬は決して歓迎できるものではない。だが、新型コロナウイルス感染拡大の終息が見られない以上、来週以降も無観客開催は十分にあり得る話だ。
気性面が最大の課題となるサートゥルナーリアにとっては、思わぬ形での能力全開となるのかもしれない。