JRAスプリングS(G2)大本命ヴェルトライゼンデらに黄信号!? 〇月生まれ「49連敗」最後の勝利は34年前
注目の皐月賞トライアル、スプリングS(G2)が中山競馬場で22日(日)に行われる。今年は10頭立ての少頭数となったが、G1・2着馬など好メンバーがそろった。
出走予定10頭のうち半数近い4頭には“ある共通点”がある。上位人気が予想されるヴェルトライゼンデ、ファルコニア、ココロノトウダイの3頭に加え、人気薄ガロアクリークの4頭は、いずれも「2月生まれ」である。
サラブレッドの生産“ラッシュ”は一般的に3~4月と言われているが、2月生まれの馬も決して少なくない。その2月生まれの馬には、過去30年以上にわたって「スプリングSでは勝てない」というジンクスが存在する。
スプリングSで2月生まれの馬が最後に勝利を挙げたのは、今から34年前の1986年までさかのぼる。当時の勝ち馬はサニーライト。その年の秋には4番人気で菊花賞に出走したが、レース中に故障を発生し、非業の死を遂げた馬である。
そのサニーライトが勝って以降、2月生まれの馬は「0-4-5-40」なので、33年間にわたって49連敗中ということになる。
その49頭の中には、2014年のアジアエクスプレス(1番人気、2着)、17年のサトノアレス(1番人気、4着)という前年の2歳チャンピオンのほか、後に皐月賞(G1)を制覇した18年のエポカドーロ(3番人気、2着)なども含まれている。そんな強豪馬たちもこのレースでは「2月生まれ」のジンクスを破ることができなかった。
参考までに同じ皐月賞トライアルの弥生賞(G2)と比較してみると1986年以降、2月生まれの成績は「9-8-10-31」。
弥生賞では2月生まれの馬が3月生まれの13勝に次ぐ9勝を挙げており、馬券に絡む率も非常に高く好相性。1カ月早く産まれた“アドバンテージ”があるだけに、ある意味では頷ける結果だが、同時期に行われる皐月賞トライアルでこれだけ差がつくのは、何か不思議な力が働いているのだろうか……。
実は、今年の3歳馬には2月生まれの有力馬が多い。今年になってから3歳の重賞は10レースを数えるが、そのうち2月生まれの馬が4勝している。
シンザン記念を制したサンクテュエール、きさらぎ賞のコルテジア、チューリップ賞のマルターズディオサ、そして弥生賞を制したサトノフラッグといずれもクラシック本番でも注目される若駒たちだ。
前述したように、今年のスプリングSにはヴェルトライゼンデを筆頭に2月生まれの有力馬がそろった。この中から34年ぶりにジンクスを破る馬は生まれるのか、それともジンクスは今年も続いてしまうのだろうか。