JRA 武豊×アドマイヤビルゴの日本ダービー(G1)出走を「最高の代打騎手」がアシスト!? 京都新聞杯(G2)で「ダービー最終切符」を手中へ
9日、京都競馬場で行われる京都新聞杯(G2)に出走するアドマイヤビルゴ(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)。前走の若葉S(L)を快勝後、騎乗した武豊騎手が「かなりの素質馬。クラシックを狙える馬」と高評価したこともあり、期待値は高まる一方だ。
アドマイヤビルゴは17年当歳セレクトセールで、6億2640万円(税込)という超破格で落札された。競り落とした故・近藤利一氏(2019年11月17日逝去)も、生前、「種牡馬にしないといけないし、ディープインパクトの後継にならなくちゃいけない」と語るほどの逸材だった。
その素質馬の鞍上を務めるのが武豊騎手。以前はアドマイヤ軍団の主戦と呼べるほど蜜月の関係だったが、07年から確執が表面化。それ以後は絶縁状態だった。生前に関係が復活したという話は聞かれなかったが、故・近藤氏の「豊に乗せてくれ。ディープに乗ったことがあるのは豊だけだから」という強い“遺志”が働いたため、アドマイヤビルゴとのコンビが実現したという。
亡き近藤氏から思いを託され、約10年ぶりにアドマイヤの勝負服を着た武豊騎手を背に、アドマイヤビルゴは新馬戦に出走。2番手から、直線で抜け出し、初戦を勝利。レース後、「まだまだ未完成ですが、素質を感じます」と鞍上も好感触を得ていた。
そして迎えた若葉S。1番人気に支持されたアドマイヤビルゴは好位追走から、上がり最速となる33秒6の末脚で抜け出し快勝。勝ち時計1分58秒6は11年にダノンミルが記録した1分59秒1を0秒5秒上回り、過去10年で最速だった。武豊騎手も「強かった。前回と馬が違っていた」とその成長ぶりに目を見張っていた。
前走後、陣営は皐月賞をパスして日本ダービーを目標にすると明言。京都新聞杯で賞金を加算して最高峰の舞台を目指すことになった。だが、新型コロナウイルスが蔓延し、その感染拡大防止の一環として、騎手は土曜と日曜で異なる競馬場に移動しての騎乗が認められなくなってしまう。
10日(日)に東京競馬場で開催されるNHKマイルカップ(G1)でサトノインプレッサに騎乗する武豊騎手は、土曜の京都新聞杯での騎乗はNG。替わりに藤岡康太騎手が鞍上を務めることになった。
「前走は最後に流す余裕さえ見せての完勝劇。元JRA騎手のアンカツこと安藤勝己氏も『時計も優秀やし、文句なしに強かった』と高評価していましたよ。それだけに武豊騎手も自分の手で、ダービーへのキップを掴みたかったはず。このような状況が増えていることもあり、騎手の移動制限について『正直不便を感じています』と公式HPに心情を吐露していました」(競馬誌ライター)
主戦の手から離れたアドマイヤビルゴは、最終追い切りで栗東坂路を4F56秒0、ラスト12秒7で駆け上がった。時計は地味であるものの、これまでの稽古で強めに追っていたこともあり、友道師は「今日は坂路でサッと」と話し、「順調にきたと言えます」と満足気だった。