JRAオークス(G1)抽選突破リリーピュアハートが無敗馬を一蹴!? 運を味方に、福永祐一「明確なビジョン」が現実のものに!
抽選突破馬が波乱の立役者となるかもしれない。
24日、東京競馬場で3歳牝馬の頂点を決めるオークス(G1)が開催される。63年ぶりの無敗の2冠馬を目指すデアリングタクト、スイートピーS(L)で衝撃の走りを見せたデゼルの無敗馬対決に注目が集まっている。
そんな中、21日にオークスの出馬表が発表され、デゼルが1枠1番、デアリングタクトが2枠4番からの発走が決定。その一方、2/6の抽選を突破してオークス参戦が叶ったのが、リリーピュアハート(牝3歳、栗東・藤原英昭厩舎)だ。
デビュー戦は2着に敗れたリリーピュアハートだが、2走目の未勝利戦は2着に2馬身半差の圧勝で勝ち上がった。次走には、東京芝2400mのゆりかもめ賞(1勝クラス)を選択。レースを中団から進め、直線で一度は前が塞がる場面があったものの、抜け出してからは長くいい脚で差し切り勝ちを決める。上がり3Fはメンバー最速の34秒2で、2位と0秒4差をつける圧倒的な末脚だった。
福永祐一騎手は「タフなチャレンジでしたが、うまくクリアしてくれました。馬のコンディションもよく2400mもうまく立ち回って、明確なビジョンが見えてきた一戦でした」とオークスを見据えたコメントを残した。
前走の忘れな草賞(L)は道悪に泣き3着に敗れてしまったが、東京2400mへのコース替わりはリリーピュアハートにとってプラスに働くはずだ。実際に、全兄のヴァンキッシュランは同条件の青葉賞(G2)を勝っていることが血統的な裏付けとなるだろう。
「当初から陣営は、リリーピュアハートの目標をオークスに設定して調整してきました。忘れな草賞を3着に敗れたことで抽選対象となりましたが、無事に突破したことでホっとしているのではないでしょうか。
同厩のミヤマザクラにも騎乗していた福永騎手が、リリーピュアハートに騎乗するのは期待の表われに思われます。ゆりかもめ賞は完全にオークスを意識しての出走でしたから、抽選対象馬ながらも一波乱起こすかもしれませんよ。今回メンバー唯一の距離実績も魅力ですし」(競馬記者)
リリーピュアハートにとって何よりも心強いのは福永祐一騎手の好調ぶりだろう。
4月以降、皐月賞(G1)をコントレイル、マイラーズC(G2)をインディチャンプ、かしわ記念(G1)をワイドファラオで制するなど絶好調の福永騎手。NHKマイルC(G1)でも、6番人気ギルデッドミラーを3着に導く好騎乗をみせている。
かつてはビッグアーサーのスプリンターズS(G1)で進路をなくしたことから、福永騎手は内枠が苦手というイメージがつきまとっていた。しかし、これらの勝ち馬はすべて“1枠1番”からの発走。今となっては“ラッキーナンバー”とも言えるぐらいの好相性だ。
今回は内枠ではなく“11番枠”からの発走となる。今の福永騎手であれば、抽選対象馬のリリーピュアハートで一波乱起こしてもおかしくないだろう。