JRAルヴァンスレーヴ帝王賞(G1)で「大復活」へ!? 萩原清調教師「本当のチャンピオンに……」12年前、劇的復活を果たした「不屈のダート王」とは
今週24日大井競馬場で行われる帝王賞(G1)には、昨年の覇者オメガパフューム、かしわ記念(G1)を勝ったワイドファラオ、川崎記念(G1)を勝ったチュウワウィザード、実績十分のノンコノユメなど、好メンバーが揃った。
M.デムーロ騎手をして「ケンタッキーダービーに行って勝ちたい」と思わせたルヴァンスレーヴ(牡5歳、美浦・萩原清厩舎)が、今回はD.レーン騎手を鞍上に迎えて、このレースに出走する。
ルヴァンスレーヴは3歳時、ユニコーンS(G3)を制覇した勢いのまま、ジャパンダートダービー(G1)も制覇した。秋には盛岡・南部杯(G1)、チャンピオンズC(G1)とゴールドドリームら一流の古馬陣を撃破して見せたのだ。
しかし翌年、帝王賞に向けて調整している途中で、繋靭帯炎を発症したため治療に専念。今年の5月のかしわ記念で2年ぶりに復活した。だが、3歳時に見せた迫力ある走りが影を潜めて5着に沈む。
叩き2走目となる帝王賞はルヴァンスレーヴの真価が問われる一戦となるだけに、陣営も力が入るところだろう。
「3歳時の活躍により、ルヴァンスレーヴは2018年JRA賞・最優秀ダートホースに輝くことができたものの、翌年に長期離脱を余儀なくされ、陣営のショックは計り知れません。
そのあとに萩原調教師が中山馬主協会のインタビューで『本当のチャンピオンになりたい』『世界で勝ってこそ、本当の意味でチャンピオンだと胸を張れる』と、休養しているルヴァンスレーヴについて、まだまだ諦めていない姿勢を示していました。
ケガを克服して戻って来たルヴァンスレーヴが再び世界に向かうためにも、帝王賞で改めて威厳を示しておきたいでしょう」(競馬記者)
競走馬にとって約2年のブランクは決して小さなものではないが、かつてケガを克服して再びダート王者に君臨した馬がいる。2008年のジャパンカップダート(G1、現チャンピオンズC)で劇的な復活を果たしたカネヒキリだ。
カネヒキリは2005年、ユニコーンS、ジャパンダートダービーと連勝して3歳王者にとなり、下半期には古馬を撃破してジャパンカップダート制覇。この年の最優秀ダートホースに輝いた。
だが、翌年に調教中に屈腱炎を発症し離脱。2年以上のブランクを経て武蔵野S(G3)で復帰し、ジャパンカップダートを優勝。再びダート王に君臨した。
似た戦歴の馬が復活してきた前例があることは、ルヴァンスレーヴにとっては心強い話だ。陣営もここまで、並々ならぬ努力で馬の回復に努めてきたことだろう。
「復帰戦のかしわ記念を叩いて(5着)、馬の状態は上がっているようです。最終追い切りは美浦Bコースを使い、併せ馬で一杯に追われました。ラスト1F12秒3でまとめており、この馬の力は出せる状態にあると思います。ここまで馬体を戻してきた陣営とルヴァンスレーヴに対し、頭が下がる想いですね」(同)
苦境を乗り越えてきたルヴァンスレーヴが結果を出せば、萩原調教師の語った夢に一歩近づくことができる。帝王賞でどのようなレースを見せてくれるのか、非常に楽しみだ。