【徹底考察】JBCクラシック(G1) コパノリッキー「ダート王は何故、完全復活できたのか?G1・3連勝に見る明らかな『進化』の跡とは」
まさに「テン良し、ナカ良し、終い良し」といったコパノリッキー。かつてのダイワスカーレットなどがそういったタイプの逃げ馬だが、これはイメージ的に「逃げ」よりも、むしろ「先行」に近い。
つまり、実際はハナにこだわらない先行競馬だが、道中のスピードの違いで逃げ馬のようなポジションになっているということなのだろう。心身が充実し、全盛期を迎えた歴代のダートチャンピオンにしばしば見られる傾向である。
【血統診断】
父ゴールドアリュールは言わずと知れたサンデーサイレンス系の中で最もダートで成功している種牡馬。すでにG1を8勝しているコパノリッキーだが、まだその上にスマートファルコン、エスポワールシチーという本馬よりも稼いでいる馬がいるのだから恐れ入る。
ゴールドアリュール×ティンバーカントリーという配合の代表馬は当然コパノリッキーだが、他にも牝馬ダート戦線で大井所属馬として気を吐いているララベルがいる。
母コパノニキータはダートで活躍し1000万下まで出世している。一族を見渡しても、活躍馬は大阪杯や毎日王冠を勝ったサンライズペガサスが目立つ程度。ある意味、ダート馬らしい地味な血統だ。
ただ、そういった中でも目を引くのが母コパノニキータのティンバーカントリー×トニービンという配合。この配合からはダート王のアドマイヤドンが輩出されており、本馬の血統背景はアドマイヤドン×ゴールドアリュールというイメージに近い。
なお、本馬は意外にも今回が川崎初参戦。ダート2100mはキャリア最長の距離となるが、そういった面で心強いのが母方に流れるリアルシャダイの血だ。基本的にはスピードが勝った配合だが、数々の名ステイヤーを送り込んだリアルシャダイの血が、スピードの持続力を支えている。