JRA大失態で異例の「謝罪」まで発展! アイビスSD(G3)「爆穴」候補は非業の死を遂げた「アノ馬」がサイン!?
26日、新潟競馬場では夏の名物重賞・アイビスサマーダッシュ(G3)が開催される。昨年のこのレースを制したライオンボスの連覇が注目されるが、虎視眈々と下剋上を狙う刺客にも注意をしたい。
新潟の直線1000メートル戦という「特殊」な条件。過去にも連覇を達成した馬が複数出ているように、「千直」の適性が重視されるレースでもある。これまでの傾向としても人気が強いのが特徴だ。過去19年の歴史でも1番人気が8勝、2番人気が3勝と、19勝の内、半数を超える11勝を1、2番人気があげている。
その一方で、荒れるときは荒れるのも特徴で、7番人気が3勝、8番人気が2勝をあげており、過去最も人気薄だった馬が優勝したのはサンアディユ。18頭立てのフルゲートで行われた2007年に単勝77.1倍の13番人気で勝利している。
二桁人気の大穴だったのも無理はない。同馬はアイビスSDまで芝のレースを使われたことがなく、直前の2戦でもダートで二桁着順に大敗していた。ところが、いざレースが始まるとスタートからハイペースになるやすい千直で、後方からの競馬となったものの、上がり3ハロン最速の脚で見事な差し切り勝ちを収めた。
次走の北九州記念(G3)こそ7着に敗れたが、フロック扱いされて11番人気に評価の下がったセントウルS(G2)を2着馬に5馬身差をつけて圧勝。スプリンターズS(G1)では1番人気に支持されるまでに評価は一変した。残念ながらアストンマーチャンの激走の前に2着と惜敗したが、京阪杯(G3)を1番人気に応えて勝利。18年の始動戦として選ばれたのがオーシャンS(G3)だった。
だが、無名のダート馬から、わずか2か月程度で芝のG1でスポットライトを浴びる存在にまで駆け上がったシンデレラストーリーはハッピーエンドとはならなかった。
単勝1.7倍の圧倒的1番人気に支持されたサンアディユだが、隣枠のアイルラヴァゲインが後ろ扉を蹴ったことに驚いたこともあり、ゲートの前扉をくぐろうとするなど長時間に渡って暴れてしまう。さらには、態勢が整わないままゲートが開かれ、大きく出遅れると最下位に敗れた。
騎手と意思疎通を欠いたままスタートさせた発走委員の対応も物議を醸した。発走委員がゲートの後ろで前扉ではなく、後ろ扉からサンアディユを出す相談をしていたことため、一部の騎手からもスターターの「開けるぞ」という合図が後ろ扉を開ける指示と受け取ったという声もあった。
そして、この件は最終的にJRAが謝罪会見をするまでに事態が発展。因果関係は定かではないが、不幸なことに当事者となったサンアディユはレース翌日、栗東トレセンの馬房で倒れ、心不全により急死してしまった。
「サンアディユは繊細な馬で元々、音に敏感なところがありました。同馬を担当した厩務員が、落ち着けるように様々な工夫をした結果、克服して素質を開花させた馬でした。
ですが、不運なことに隣の枠から突発的に物音が聞こえたために、平静を失ってしまったことが、アクシデントに繋がってしまいました。春の高松宮記念に向けて大きな期待をされていただけに非常に残念です」(競馬記者)
今年の出走予定馬にサンアディユと同じく、ダートの1200メートル戦を圧勝したことのある該当馬はゴールドクイーンとモンペルデュの2頭。
非業の死を遂げたサンアディユとは異なるハッピーエンドが用意されていることに期待したい。