JRA「病気」のため、乗り替わりの真相。「暑熱対策」なんのその、アツい新潟で今後も危惧される事態が発生……
新潟、札幌の2場開催が始まって2週間が過ぎた。例年であれば、小倉も含めて3場開催で行われるのだが、今年は「東京オリンピック開催への対応」および「暑熱対策」の観点から、2場開催となっている。
その影響を受けて例年は小倉に行くはずの関西所属の騎手、競走馬が新潟に押し寄せるという状況になっている。未勝利、1勝クラスでは除外ラッシュが発生し、馬主や調教師は頭を悩ませているというほどだ。
そんな異例の新潟開催でヒヤリとすることが起こった。
土曜の新潟6Rは6番人気エールオンレールが勝利し、出走した18頭すべて無事にゴールした。レースでは何事もなかったが、ハプニングが起きたのはその後……。
レースが終わり、ジョッキーが検量室前に引き上げてきたが、鞍を外した藤懸貴志騎手がいきなり倒れたのだ。すぐさま医務室に担がれ、当然ながらメインレースは乗り替わりとなった。
「JRAの発表では病気と抽象的なものでしたが、熱中症だったようです。すぐさま水分補給をして安静にしていたので、数時間で回復しましたが、万全を期して土曜日は乗り替わりとなったようです。
このご時世だからこそ騎手の乗り替わりについて、もう少し具体的に発表した方がいいとう意見も聞こえてきます。関係者以外分からなければ、世間からは変な勘繰りをされてもおかしくないですしね。7月に全鞍乗り替わりとなった岩田望来騎手も、病気という曖昧な発表でしたし」(競馬記者)
翌日、藤懸騎手は元気な姿で競馬場に現れ、記者曰く「水分補給はしていたのですが、上がってきたらなんか力が入らなくなって。ご心配をおかけしてすいません。もう全然大丈夫です」と話していたようだ。
現在、ジョッキーはレース後すぐにマスクを装着するなど、新型コロナウイルス感染対策を徹底している。この影響で、藤懸騎手の体調に異変があった可能性もあるかもしれない。
いくら猛暑対策として小倉開催を行っていないとはいえ、新潟も暑いことには変わりない。実際に、土曜日の新潟の最高気温は28.8度、日曜は30.3度と真夏日を記録している。梅雨が明け、今週の開催からさらなる猛暑が予測されるため、ジョッキーの体調管理は大変になることが予想される。
だが、ジョッキーから新型コロナウイルス感染者が出てしまえば、開催自体が危ぶまれてしまう。
新型コロナウイルス感染対策を行いながら夏競馬の開催に尽力している競馬関係者に対して、改めて感謝しなければならないのかもしれない。