JRA「元メジャーリーガー」馬主で明暗くっきり。セントライト記念(G2)ヴァルコス出走の裏で、あの馬は……
21日、中山競馬場で菊花賞トライアル・セントライト記念(G2)が開催される。菊花賞(G1)でコントレイルの3冠阻止を狙う3歳馬が集結した。
その中でも、上位人気が予想される1頭がヴァルコスだ。
前走の日本ダービー(G1)は14着に敗れたが、2走前の青葉賞(G2)ではオーソリティとタイム差なしの2着に入った実力馬であるヴァルコス。セントライト記念の出走メンバーでも、実績上位と言えるだろう。
同馬を所有する佐々木主浩オーナーは、ブラヴァスでサマー2000シリーズのチャンピオンに輝いたばかり。また所有馬が日本ダービーに初出走を果たすなど、今年も話題が絶えない。昨年末で稼ぎ頭シュヴァルグランが引退したが、その後も馬主として順調に成果を上げている。
その一方、同じく元メジャーリーガーの吉井理人オーナーは不運に見舞われた……。
現在、千葉ロッテマリーンズの一軍投手コーチを務めている吉井氏。その傍ら、これまでに4頭を所有したJRAの馬主という顔を持っている。特に、今年はツルネ(牝3歳、美浦・高橋文雅厩舎)が大きな注目を集めた。
デビューから2戦連続で2着に惜敗したツルネ。3戦目で勝ち上がると、前走の1勝クラスを上がり3ハロン32秒7の末脚で快勝。秋華賞(G1)を秋の目標に掲げて、さらなる飛躍が期待されていた。
だが、屈腱炎を発症して、4日付で登録抹消となった。
「ツルネの前走の勝ちっぷりは良かったですね。1馬身半差をつけた2着のカレンシュトラウスは、次走でフアナのクビ差2着に健闘しています。単純に着差だけを比較すると、ローズS(G2)で上位人気が予想されるフアナを上回るパフォーマンスを見せていたことになります。それだけに、引退は残念ですね」(競馬記者)
吉井オーナーは自身のオフィシャルブログで、ツルネが1勝クラスを突破した際には「種市の投球ビデオより、多く見てしまいました」と本業よりもレース映像に夢中だったことをブログに綴るほど喜んでいた。
それだけに、ツルネの引退について“残念なお知らせ”としてブログで報告。「ショックすぎてまだ気持ちが切り替えられていないのですが、今度はツルネの子供たちの走りを楽しみにしたいと思います」とかなり落ち込んでいる様子ながらも、繁殖牝馬としての活躍にも期待を寄せている。「ツルネの第2章も、応援よろしくお願いします」と、吉井オーナーが言うように、夢のバトンは産駒に繋がれるはずだ。
いつか吉井オーナーがツルネの仔でビッグタイトルを獲得することを楽しみにしたい。