JRA堀厩舎に「凋落」の予兆か……。セントライト記念(G2)3番人気フィリオアレグロ“謎の惨敗”で、サリオスの「低調」も浮き彫りに
21日、中山競馬場で行われたセントライト記念(G2)は4番人気バビットが逃げ切り勝ちを収めた。4連勝で重賞2勝目を挙げ、菊花賞(G1)に向けて弾みをつけた。また、2着に1番人気サトノフラッグ、3着に2番人気ガロアクリークと人気どころでの決着となった。
その一方、3番人気に支持されたフィリオアレグロ(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)は7着に敗れた。
半兄にサトノクラウンを持つ良血馬で、青葉賞(G2)は勝ち馬とタイム差なしの3着だったフィリオアレグロ。重賞未勝利馬ながら、3番人気に推されたのはポテンシャルの高さを期待されていた証拠だろう。
レースは後方の位置取りから進め、4コーナーで進出を開始しようとするも、手応えはイマイチ。直線も伸びを欠き、勝ち馬から1秒8も離される惨敗に終わった。
M.デムーロ騎手は「前目につけたかったのですが、ごちゃごちゃして、後ろの位置になりました。調教では瞬発力を見せていたのですが、3、4コーナーではついていけませんでした」とコメントしたように、不可解な敗戦となった。
堀厩舎の3歳馬の惨敗と言えば、13日の京成杯AH(G3)のルフトシュトロームが記憶に新しい。
2番人気でレースに出走するも、最下位の16着に敗れたルフトシュトローム。当日の馬体重はプラス24キロの大幅増だったが、成長分もあるため決して太目残りというわけではなかったはずだ。石橋脩騎手も「いい頃に比べるとガツンと来るような反応がなかった。敗因はよく分かりません」と話しており、今後に不安が残るレースとなった。
「ルフトシュトロームは右前脚に挫跖のような症状があることから、最終追い切りを木曜に変更していました。これも敗因のひとつに考えられるかもしれません。プラス体重にしても、追い切りにしても、万全の仕上げでなかった可能性が高そうです。
逆にフィリオアレグロはレース当日の馬体重がマイナス8キロ。前走の青葉賞もマイナス体重で出走していただけに、夏の成長を考えるとプラス体重での出走が理想だったのですが……。
レース前、陣営は『もう少し体が増えてほしかった』『春と同等の走りはできる』と話していたので、上積みは見込めなさそうな印象がありました。こちらも完璧な状態だったとは言い難そうですね」(競馬記者)
今年の上半期、堀厩舎所属の3歳馬は重賞で[2-2-2-1]の好成績を残していた。唯一の馬券圏外も5着と、すべて掲示板に名を連ねる優秀な結果である。
しかし、7月以降はジャパンダートダービー(G1)で単勝1.1倍のカフェファラオが7着に大敗。これを皮切りに4頭が重賞に出走するも、馬券どころか掲示板にすら一度も載っていない。すべて4番人気以内に推されていたことを考えると、大不振と言えるだろう。
この悪い流れを断ち切る期待がかかるのは、堀厩舎の総大将サリオスだ。だが、同馬も決していい状態とは言えないかもしれない。
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