JRA武豊「キセキ2世」で菊花賞(G1)参戦にコントレイルが、バビットが戦々恐々!? 夏の上がり馬が醸し出す「ブエナビスタの悲劇」再来の予感
「スタミナ面で不安のないアンティシペイトと武豊騎手のコンビ参戦は、菊花賞全体に影響を与えそうですが、最も頭を抱えているのはバビットの陣営ではないでしょうか。
というのも、ここまで重賞連勝を含む4連勝中のバビットですが、それらはすべて序盤からハナに立ってレースの主導権を握ってのもの。対する3連勝中のアンティシペイトも前走こそ2番手からの競馬でしたが、基本的にはハナに立ちたいタイプだからです。
これまで単騎逃げが濃厚と予想されていたバビット陣営だけに、アンティシペイトが参戦してくるなら、決して好材料とは言えないでしょうね」(別の記者)
実際に、アンティシペイトが2番手から勝った阿寒湖特別のレース後、武豊騎手は「ハナに行けそうだったら行きたかった」とコメント。本番でも2番手からの選択肢もありそうだが、そのためにはバビットが強くハナ主張をする必要があるというわけだ。
一見、コントレイルにとっては強力なライバルが潰し合う美味しい展開にも思えるが、アンティシペイトの武豊騎手と、バビットの主戦・内田博幸騎手は共にキャリア豊富なベテラン騎手。ハナ争いを避け、先団で“呉越同舟”の関係を築けば、一気に大本命馬にとって危険な存在となる。
真っ先に思い浮かぶのは、単勝1.6倍のブエナビスタが3着に敗れた2009年のエリザベス女王杯(G1)だろう。
スタートからクィーンスプマンテとテイエムプリキュアが、後続を大きく引き離すハナ争いを展開したが、あれよあれよという間にそのままワンツーゴール。ブエナビスタは上がり3ハロン32.9秒という極限の末脚で追い込んだが、大波乱の結果に終わった。
あのレースもまた菊花賞が行われる京都競馬場が舞台だったのだから、コントレイルとしても楽観できる状況ではないのかもしれない。