「世界最実績」“G1競走25勝”ウィンクスの初仔が死去…… 不意の訃報に関係者も落胆
昨年4月に開催されたクイーンエリザベスS(豪G1)優勝を最後に引退したオーストラリアの歴史的名牝ウィンクス。今年、繁殖入りして初めてとなる産駒が誕生していたが、その初仔が亡くなったと『Racing.com」が伝えている。
ウィンクスは2014年夏にデビュー。2~3歳時は10戦して4勝6敗と負け越していた。だが、オーストラリアンオークス(G1)で2着に敗れたのを最後に、続くサンシャインコーストギニー(G3)から連戦連勝。その後、ラストランまで1度も負けることなく、33連勝。G1は25勝を数え、通算成績43戦37勝を記録していた。
そして引退後は繁殖入り。19年6月、所有するオーナーシップグループはウィンクスの初年度の交配相手にアイアムインヴィンシブルが選ばれたと発表した。
アイアムインヴィンシブルは現役時に、短距離部門を主戦場として5勝を挙げるも、重賞ではG12着が最高で、G3を1勝にとどまっていた。しかし、種牡馬としては今年のウィリアムレイドステークス(芝1200m)を勝ったラヴィングギャビー、16年のマイヤークラシック(芝1600m)覇者アイアムアスターなど、多数のG1ウイナーを送り出すなど活躍。現地では人気種牡馬として知られている。
「ウィンクスのオーナーグループは、交配相手を選ぶ際に多くの識者から意見を求めたといいます。そこでは『海外に送る』プランも出されたそうです。しかし議論を重ねた結果、まずは国内の種牡馬を試す方向になったようですね。
候補としては、豪州で3シーズン連続チャンピオンサイヤーになったスニッツェル、オーストラリアで9回、英愛チャンピオンサイヤーに3回、フランスチャンピオンサイヤーにそれぞれ3回も輝いているファストネットロックなども候補に挙がっていたそうですが、それらを押しのけて、アイアムインヴィンシブルに決定していました。
熟考の末に交配相手が決定して、誕生したオーストラリア史上最強の名牝の初仔だったのですが、まさかの事態が発生してしまいました。関係者の落胆は想像に難くないです」(競馬誌ライター)
繁殖牝馬としてほろ苦いデビューを飾ることになったウィンクス。だが現役時代も3歳後半から覚醒したように、繁殖牝馬としてもここから真価を発揮してくれるはずだ。
これからも誕生するであろうオーストラリア競馬史上最強ウィンクスの産駒たちがG1を獲得する日を楽しみにしたい。