南部杯(G1)松若風馬サンライズノヴァに「不満」の声続出!? JRAスプリンターズS「暴走」モズスーパーフレアに続き経験不足を露呈
12日、盛岡競馬場では交流G1・マイルCS南部杯が行われ、田辺裕信騎手の6番人気アルクトスが優勝した。2着に2番人気モズアスコット、3着には7番人気モジアナフレイバーが入り、3連単は11万9250円の高配当となった。
その一方、サンライズノヴァは1番人気に支持されながらも4着に敗れた。
「ゲートを出てくれて良い位置で競馬できたんですけれど、前残りだったので。この馬もしっかり脚を使ってくれているんですが、展開に恵まれなかったかなと思います」
レース後、松若風馬騎手は好位につけた馬が1、2着した結果について前残りの展開で恵まれなかったと振り返った。
昨年の同レースを吉原寛人騎手とのコンビで制し、悲願のG1制覇を遂げたサンライズノヴァ。プロキオンS(G3)を経由しての参戦は同じ臨戦過程。昨年は4番人気での優勝だったが、前哨戦を完勝して挑んだ今年は1番人気に支持された。
出遅れ癖のあるサンライズノヴァにとって、課題のスタートで出遅れることもなくゲートはスムーズ。16頭立てのレースを中団からの競馬で前方にゴールドドリームを見る形で追走した。
だが、ポジションを上げていくタイミングも遅かった上に、直線で大外を回したロスも大きく、先行勢との差を縮めるのが精一杯。積極的な騎乗で上位入線した騎手に対し、松若騎手が後手に回ってしまった感は拭えない。
これに対しSNSやネットでは「恵まれなかったのは展開ではなく騎手」、「吉原なら勝てた」、「後ろ過ぎ」といった意見も出た。
昨年、それまで後方からの競馬で惜敗が続いていた同馬を、4コーナー2番手に押し上げた吉原騎手の好判断が勝利へと導いただけに、昨年の再現を期待していたファンにとっては、消極的な騎乗に映ったのかもしれない。
「地方競馬は中央以上に各競馬場の特徴が大きく、あの武豊騎手でさえ慣れない内は結果を残せないこともあったくらいです。今回の松若騎手にしても経験不足を露呈した印象が強いですね。
同じような位置にいたゴールドドリームが早めに追い上げた後に、慌てて追い掛けたように見えたことも、自分から勝ちに行く姿勢が足りていなかったようにも感じます」(競馬記者)
ただ、結果的に南部杯が1:32.7というダート1600mの日本レコードが出たほどのハイペースだったことを考慮すると、インティとモズアスコットが演じた激しい先行争いはスプリンターズS(G1)にも似ている。
奇しくもこのレースで、ビアンフェと競りあって惨敗していたモズスーパーフレアに騎乗していた松若騎手だけに、気後れした可能性も否定できない。
皮肉にもスプリンターズSでは「前潰れ」、南部杯では「前残り」と真逆の展開に泣き、秋のG1で2レース連続馬券圏外となってしまった松若騎手。
この苦い経験を糧にして、これからの飛躍に期待したい。