JRA松岡正海「歩くのはまだつらい」!? 天皇賞・秋(G1)ウインブライト想い続ける「姉」の存在。「乗らなくちゃいけない」という責任感に続く「夢」
あのコンビが再びターフに帰ってくる――。
昨年はクイーンエリザベス2世カップ(G1)、香港カップ(G1)と、香港のG1で2勝。前走の中山記念(G2)から約8カ月ぶりに天皇賞・秋(G1、11月1日)で復帰するのがウインブライト(牡6歳、美浦・畠山吉宏厩舎)だ。
鞍上はもちろん松岡正海騎手。これまで22戦の内、20戦で手綱を握ってきた主戦騎手である。
松岡騎手といえば、今年2月8日の東京6Rで落馬。左大腿骨(だいたいこつ)骨折の大けがを負って、先週24日の東京開催からレースに復帰したばかりだ。
復帰戦となった東京1Rは8着。サンランジングで果敢に先行した積極的な騎乗からは、当時そのままの松岡騎手が帰ってきたと思っていいだろう。
とはいえ、身体の方はまだ完調とはいかないようだ。
『サンスポZBAT!競馬』よると、松岡騎手は「歩くのはまだつらいけど、乗った方が楽だね」と騎乗に問題ない事を伝えつつ「乗りながら筋力を戻していきたい」と話している。
加えて、今回はウインブライトも蹄疾患(ていしっかん)明け。人馬とも長期のブランクがあるだけに、難しい戦いになりそうだ。
『netkeiba.com』のコラム『今週のFace』にて「あの馬(ウインブライト)に対しては『乗らなくちゃいけない』」と心境を語った松岡騎手。
決して万全とはいえない状態での騎乗となるが、そこには「姉」への気持ちもあるのかもしれない。
1つ上の全姉ウインファビュラスだ。
生涯成績は32戦2勝。決して派手さはなかったかもしれないが、主戦を務めた松岡騎手にとっては思い出深い1頭だろう。
10番人気で出走した阪神JF(G1)では、断然の1番人気に推されたメジャーエンブレムに続く2着と大健闘した本馬。『デイリースポーツ』によると「姉に乗らせてもらってつかんだことが、確実にブライトに生きている」と松岡騎手は話しており、香港でのG1制覇の陰に姉の存在があった事も忘れてはならない。
また「ブライトをもっと出世させられれば、お姉ちゃんの繁殖としての価値を上げられる」とも話しており、「(ウインファビュラスに)ロードカナロアをつけて、その子で香港マイルを勝てたらいいね」とも語った。
2頭の馬名意味は、ファビュラスが「とても素敵な」、ブライトが「輝かしい」。
次にウインブライトが見据えるは、やはり香港カップの連覇だろうか……そして、ウインファビュラスの仔で……。
松岡騎手の「夢」には“とても素敵な輝かしい”続きが待っていそうだ。