
JRA天皇賞・秋(G1)フィエールマンが「メジロマックイーン化」回避へ!? 名ステイヤーの末路を避けたい理由とは……
11月1日、東京競馬場で開催される天皇賞・秋(G1)。今年5月の天皇賞・春(G1)を制したフィエールマン(牡5歳、美浦・手塚貴久厩舎)が、春秋盾制覇に挑む。
フィエールマンは秋の始動戦にオールカマー(G2)を予定していたが、直前に熱発で回避。矛先を天皇賞・秋に変えてきた。この熱発について、手塚調教師は、「1日休んだだけで、すぐに馬場入りもできました。影響は少ないと思います。一旦立て直しの意味も含めて、(ノーザンファーム)天栄に短期放牧に出して、戻ってきてからは順調にきてます」とコメント。不安視する必要はなさそうだ。
手塚調教師は「チャレンジャー精神でレースに臨みたい」とも話しているように、立場はあくまでも挑戦者。G1・7勝のアーモンドアイが相手なら、それは当然のことだろう。
しかし、『netkeiba.com』の予想オッズ(28日現在)では、1.5倍のアーモンドアイに次いで、2番人気がクロノジェネシス(2.9倍)、3番人気にダノンキングリー(12.1倍)、そして4番人気(13.8倍)にようやくフィエールマンの名前が登場する。
G1の勝利数だけでいえば、クロノジェネシス(2勝)、ダノンキングリー(未勝利)よりも多い3勝しており、実績的にはナンバー2のはず。“不人気”の理由は中間の熱発に加え、距離にあるのは間違いない。
「フィエールマンのG1・3勝は全て3000m以上に偏っており、字面だけ見ると完全なステイヤーといえます。グレード制導入後、3000m以上の国内G1を3勝以上した馬は、フィエールマン以外にメジロマックイーン、ライスシャワー、キタサンブラックの3頭。メジロマックイーンは菊花賞に加え、天皇賞・春を2度、そして宝塚記念を制しました。
引退後は、主流血脈を持っていないということもあって、大きな期待とともに種牡馬入りしましたが、直仔からG1馬は出ず。ご存じの通り、母の父として素晴らしい実績を残しましたが、種牡馬としては大成できませんでした。母系がスタミナに偏り過ぎていたこと、サンデーサイレンス全盛期の高速馬場が合わなかったこと、ステイヤーのイメージが強すぎたことなどが要因として考えられます」(競馬誌ライター)
G1をすでに3勝しているフィエールマンも引退後の種牡馬入りは間違いない。しかし3000m以上のG1勝ちしかないとなると、“ステイヤー”というレッテルが貼られるのは確実。近代競馬において、それはかなりネガティブなレッテルになってしまうだろう。
『競馬予想TV!』(フジテレビONE)にラップエディターとして出演する夏目耕四郎氏は、自身のTwitterに「フィエールマンはどうしても中距離G1を1つ勝ちたい(勝たせたい)でしょうね。長距離G1を3勝じゃ、種牡馬としての評価低いままだから。超良血なのにね、もったいない」と投稿。種牡馬としての価値を高めるためにも天皇賞・秋は是が非でも手に入れたいタイトルのはずだ。
もともと菊花賞までは1800mを使われ、瞬発力を備えた中距離タイプという声も多かったフィエールマン。脱ステイヤーへ、そして何より種牡馬としての自身の将来のためにも、府中の2000mでアッと驚く大駆けに期待したい。
PICK UP
Ranking
5:30更新「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
宝塚記念(G1)団野大成「謎降板」に関西若手のエースが関係!? 武豊の不可解な登場と突然のフリー発表…関係者を激怒させた「素行不良」の舞台裏
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 未勝利ルーキーが「深刻理由」で乗鞍激減!?度重なる失態に師匠からはお灸、エージェントも契約解除の大ピンチ
- JRA「出禁」になったO.ペリエ「税金未払い」騒動!? L.デットーリ「コカイン使用」K.デザーモ「アルコール依存症」過去の”外国人騎手トラブル”に呆然……
- 【阪神C(G2)展望】武豊“マジック”でナムラクレア、ママコチャを破った重賞馬が待望の復帰戦! 短距離界の有馬記念に豪華メンバーが集結
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- 天才の息子・福永祐一は何故「天才」と呼ばれないのか? 「漁夫の利」に集約されたシュヴァルグランでの「決意」に落胆