JRA元ジョッキー安藤勝己氏「有馬記念はとりわけ適性問われるレースに……」中山・中京の両メインレースで「対照的」な同産駒がワンツー!

 中山、阪神、中京の3場開催となった5日の中央競馬。メインレースは中山で芝3600mのステイヤーズS(G2)が行われたことに対し、中京では芝1200mの浜松S(3勝クラス)という「対照的」な距離の芝レースが行われた。

 ステイヤーズSは、オルフェーヴル産駒のワンツー。浜松Sでは、ロードカナロアのワンツーと、種牡馬は違うものの2場ともに同産駒が上位を独占した。

 特にステイヤーズSは3、4着も長距離戦に定評のあるハーツクライ産駒。5着には3頭出走していたオルフェーヴル産駒の残り1頭が入ったのだから、かなり偏った適性が問われた可能性は高そうである。

1着 オセアグレイト 7番人気(父オルフェーヴル)
2着 タガノディアマンテ 8番人気(父オルフェーヴル)
3着 ポンデザール 1番人気(父ハーツクライ)
4着 タイセイトレイル 9番人気(父ハーツクライ)
5着 ヒュミドール 6番人気(父オルフェーヴル)

 元JRAジョッキーの安藤勝己氏も自身のツイッターで「雨もあるけど中山芝はタフな馬場やね。ここから開催進むと、有馬記念はとりわけ適性問われるレースになるかもしれない」と述べており、力のいる馬場であったことは間違いなさそうだ。

 2、3番人気の2頭は、ともにディープインパクト産駒で、2番人気に推されたシルヴァンシャーは9着、3番人気のボスジラも6着と敗れた波乱の決着。ハーツクライが現役時代に、唯一ディープインパクトを破ったのが暮れの中山(有馬記念)であったことからも、力のいる馬場ではハーツクライの方が適性はあるということだろう。

 また、ディープインパクトにとってもう1つの敗戦となったのが重い馬場といわれるフランスの凱旋門賞(G1)。オルフェーヴルは同レースを2年連続で2着と好走しており、こちらも適性に関しては高かったと考えられる。

また、中京で行われた浜松Sでは、ステイヤーズSとは「対照的」な結果。ワンツーを決めたのは、短距離指向のロードカナロアであった。

1着 ケイアイサクソニー 7番人気(父ロードカナロア)
2着 スギノヴォルケーノ 3番人気(父ロードカナロア)

 ロードカナロアは現役時にスプリントG1を5勝した快速馬。浜松Sに出走していたロードカナロア産駒が2頭しかいなかっただけに、この勝利もステイヤーズSとは別の適性が問われたといえそうだ。

 因みに、ステイヤーズSの上位5頭は全てサンデーサイレンス系、浜松Sの上位4頭はミスタープロスペクター系。極端な条件では血統の傾向も出やすいということであろう。

 オルフェーヴルとロードカナロアは同世代で、どちらも比較的新しい種牡馬。短距離と長距離で舞台は異なるかもしれないが、今後の更なる活躍を期待したいところだ。

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