元JRA藤田伸二氏、大本命クリソベリル敗戦は「珍客ヨシオ」のせい!? 史上初ジャパンC→チャンピオンズC「歴史的連闘」で残した意外な爪痕
「先月のジャパンCが出走メンバーだけでなく、レースそのものも歴史に残る素晴らしい内容になったのは、キセキが大逃げして厳しいペースを作ったことが大きな要因と言われています。鞍上の浜中俊騎手曰く、馬が引っ掛かってしまった結果のようですが、そのきっかけを作ったのが競り掛けたヨシオ。
キセキ陣営にとっては気の毒でしたが、レース全体としては“助演男優賞”に匹敵する演出だったと思います」(競馬記者)
また、そんな経緯があったからか、今度は先週のチャンピオンズCで大本命のクリソベリルが敗れたのが「ヨシオが絡んだから」という声も。
確かに14番がヨシオで、15番がクリソベリルと隣の枠からのスタートであり、序盤のポジション取りを巡って2頭が絡むシーンもあったが……。
「元JRA騎手の藤田伸二さんが(Twitterで)『1、2コーナーの間でヨシオに擦られ一気に掛かったのが痛い』とコメントしていました。
しかし、後で藤田さんも『でも大きなプラス体重が響いたのかな?』と語っている通り、今回のクリソベリルの敗因は明らかにコンディション面。レース後の川田(将雅)騎手の『今の具合で、よくここまで来てくれました』という言葉に集約されていると思いますね」(別の記者)
これを受け、ネット上の一部のファンからは「余計なことをするな」といった声もあったようだが、ヨシオが正式なルールを守って出走している以上、例え格下の存在であろうとも、扱いは他の出走馬と同じでなければならないはずだ。
JRAが強く掲げる「公正確保」の観点からはジャパンC、チャンピオンズCともに全力で勝ちに行ったヨシオの走りには何ら否がなく、むしろ気を遣って他馬に遠慮する方が公正確保からは遠ざかる行為といえるだろう。
ちなみに前身のジャパンCダート時代も含め、ジャパンCとチャンピオンズCを連闘した馬はヨシオが史上初だった。
G1の連闘自体が、1997年のタイキフォーチュン(マイルCS→ジャパンC)以来であり、89年にオグリキャップがマイルCSを勝ってジャパンCに連闘し、ホーリックスの世界レコードの前にクビ差で敗れたことは、あまりに有名だ。
これで、キャリア70戦目の節目を迎えたヨシオ。今後、いつかジャパンCとチャンピオンズCを連闘する馬が出てくれば、その前任者としてヨシオの名は再びスポットを浴びることになるだろう。
そういった意味でも、歴史的な挑戦だったのかもしれない。